【仕事で失敗した話】ただ謝るだけの部下に何が起こったのか?【青葉の働き方】

私のチームが大失敗をやらかしたお話です。

私の職場でも小さなミスは日々起こりますが、今回の件はちょっと根深い話でした。

自分でも反省すべき点がありましたので、みなさんに紹介すれば気づきがあるかな、と思い記事にしてみました。

青葉

人の不幸は蜜の味

ひたすら謝る部下

ある日、2名の部下が神妙な顔をして私に相談に来たんです。
ひとりは30代中堅男子社員(K君)、もうひとりは20代女子社員(Sさん)です。

部下5

ちょっと承認をいただきたい件がありまして・・・

とりあえずオフィス内にある会議テーブルに3人で移動しました。

青葉

ああA社との契約関係の資料ね
ちょっと見せて・・・・ん??何だこれ!?

なんとその契約書は、既に1年前から取引が始まっているビジネスの契約書だったのです。

つまり、1年間、契約書を交わさずにA社と取引をしていたのです。

契約書の締結は、社内にしっかりとしたプロセスがあり、未契約でビジネスが始まることは考えられません。未締結リストが管理部門からまわってきたり、いろんな部門の人から督促されたり、放っておいてもフォローされる仕組みになっているのです。

当然、管理職である私が知らないはずはありません。知っていたらこんなことはあり得ません。

青葉

なんでこんなことに・・・なぜ???

K君の方は泣きそうな顔をしていて、土下座する勢いで恐縮していました。
Sさんの方はわりとケロっとした感じで、特に普段と変わりません。

この契約書は、私が最終承認者ではありません。私が承認した後に、担当役員の決裁が必要な書類です。

青葉

これ・・・役員決裁だな(汗)

部下6

すみません・・・すべての責任は私です・・・

青葉

いやいや、とりあえず落ち着こ

こんなとき、私の頭はめずらしく高速回転します笑

数秒考えて、私がやるべき3つの事をイメージしました。

① とりあえずこの書類の内容をチェックして承認する
② 契約書無しで取引を始めたことによる問題の確認
③ 問題発生の経緯を明らかにして再発防止策を考えること

まずは目の前にある契約書とその添付資料をチェックしました。

青葉

・・・うん、いいよ 問題ない


部下女3

ありがとうございます!


部下3

・・・

次、問題の確認。下手すると法律違反・・・。

話を聞いてみると、2年ほど前に、通常と違うプロセスでA社と契約書を結んでいることがわかりました。

2年前と言えば、私が今の職場に来る前の話です。

わが社のルールでは、契約書と添付資料をセットにして承認するプロセスになっているのですが、添付資料の作成に手こずっていたため、当時の担当役員に土下座して、とりあえず契約書だけ承認をもらったらしいのです。

もちろん「早急に添付資料を準備して持ってくること」という条件付きで、です。

そして2年が経過したということです。

当時の契約書を確認してみました。

青葉

うん、確かに承認印はそろってる
でも・・・もう全員いないし・・・

当時承認をした人は、退職や異動で今は誰も残ってないのです。当時の担当役員は既に退職し、当時の上司は異動になり、その後任が私です。

とにかく契約書は締結しているので、法律上は問題ないことがわかって少しホッとしました。

とは言っても、社内プロセス上はルール違反なので許されることではありません。

青葉

で、いったいなんでこんなことに??

そこには如何ともしがたい事情があったのです。

2人の証言

まずこの2人ですが、今現在このA社との契約を担当しているのはSさんです。そして、K君はその前任者で、3か月前の担当変更の時にSさんに仕事を引き継ぎました。

A社と取引が始まったのは1年前なので、当時の担当はK君となります。

つまり、やらかしたのはK君です。

青葉

(ああ、だからSさんはケロっとしてるのね
いや、むしろ被害者か笑)

S君に過去の経緯を聞いてみました。

・2年前に担当役員に契約書の承認はもらったが、添付資料は後日ということになった
・翌週に添付資料を作成して、承認をもらいに行ったが、承認はもらえずやり直しを命じられた
・管理部門から何度も督促をされたが、他の仕事が忙しくて手がつけられなかった

ここまで話して、後はただ謝るばかりです。

部下6

悪いのは自分です!何の言い訳もできません


青葉

まあそうだけどさ笑 再発防止もちゃんと考えようよ


部下6

役員には私が直接謝ります・・・ほんとすみません・・・


青葉

(ダメだこりゃ)

これ以上、K君を問い詰めるのも気の毒になったので、一旦その場は解散しました。

そして次。

契約書の締結を督促する管理部門の女性の話を聞いてみることにしました。

管理部門の証言

管理部門の女性Mさんは、私の先輩であるベテラン女性社員です。

仕事もできるし、気配りもできる、ほんとうに便りになる先輩です。

今回の件、私が一番理解に苦しんでいることは「Mさんがいながら、なんでこんな事が起こったのか?」なのです。

青葉

Mさん、A社の契約の件ですが・・・


OL old1

ああ、それね・・・

さすがMさん、私が話を聞きに来ることを悟っていたようです。

いつも笑顔のMさんの表情があきらかに曇りました。

彼女の話を聞いて、やっとすべてが理解できました。

さきほどのK君の証言をベースにコトの真相を説明します。

コトの真相

<K君の証言①>
2年前に担当役員に契約書の承認はもらったが、添付資料は後日ということになった
翌週に添付資料を作成して、承認をもらいに行ったが、承認はもらえずやり直しを命じられた

<真相>
・このときに、添付資料の出来が悪く、役員からかなり厳しい叱責を受けた
・当時の上司(私の前任者)もその場にいたが、上司も一緒に叱られた
・K君は資料の作り直しを頑張ったが、上司がなかなか承認してくれずK君は追い詰められていた
・ついには逆切れしてしまい、資料作成を放棄し、上司の言うことを聞かなくなった

<K君の証言②>
管理部門から何度も督促をされたが、他の仕事が忙しくて手がつけられなかった

<真相>
・Mさんは管理部門の上司に相談し、その上司からK君に督促をかけたが、適当に受け流す日々
・そうこうしているうちに、K君の上司が異動になり私に変わった
・Mさんが私に相談しようとした矢先、Mさんが急病で倒れそのまま1か月ほど入院
・その後、管理部門から督促メールはしていたそうだが、上司(私)には連絡してなかった
・そして、担当者がK君からSさんに変わり、やっと資料作成が進み始めた
・が、今度はSさんが急病で1か月入院
・退院して、やっと資料が完成して今日に至る

私はしばし言葉を失いました。

当時の担当役員はよく知っています。たしかにパワハラ系キャラでした。

当時の上司(私の前任者)も同じくパワハラ系。そんな彼が役員に叱責されたら、当然部下にはキツく当たったでしょう。

気の弱いK君には耐えがたい状況であったことは想像できます。

上司が私に変わりましたが、いきなりこんなヘビーな相談を持ち掛けることに遠慮があったのかもしれません。

そして、Mさん、Sさんと頼りになる女性社員が重要なタイミングで入院するという不運。

K君の考え方や行動は、明らかに間違っています。ビジネスパーソンとしてはアウトです。

が、彼の気持ちを想像すれば、頭ごなしに正論を叩きつけることもまた、私には正しいことだとは思えないのです。

再発防止、そして反省

とりあえず私が考えた今回の問題点と再発防止策はこんな感じです。

問題点 社内ルールを守らなかった

契約の承認は、契約書と添付資料をセットにして承認するのが会社のルールです。

今回は、担当役員の”間違った”配慮によって、そのルールを無視して、契約書だけ先に承認されてしまいました。A社とのビジネスを計画通りに進めるためには、このタイミングでどうしても契約書の承認が必要だったからです。

とりあえず契約書だけ承認されてしまえば、添付資料がどうであろうとA社との間でトラブルにはなりません。

そこでみんなが油断してしまい、添付資料の作成が遅れ、督促も甘くなってしまいました。

再発防止策

関係者:社内ルールは如何なる理由があろうと徹底して守る
上司:そもそもルール守れなくなる状態を作らないようにマネジメントする
管理部門:督促して納期を守らせることを徹底し、督促は管理職に対しても行う

問題点 マネジメント意識が欠落していた

担当役員に叱責され、一緒に叱責された当時の上司もこの件に関して厳しい対応を取ることになりました。

K君の作った資料の承認ハードルを思いっきり高くしたのです。上司だってこれ以上怒られたくはないですからね。簡単に認めるわけにはいきません。

それは当然の対応ですが、当時の上司はダメ出しをして突き返すだけで、具体的なアドバイスは無かったそうです。

再発防止策

関係者:困って仕事を抱え込んでいる同僚がいれば、そっと上司に相談する
上司:状況を冷静に受け止め、必要に応じて部下の仕事を実効的にサポートする
上司:部下の困りごとは報告を待つのではなく、自分から拾いにいく

私が直接関わっていない過去の問題だったとはいえ、私が今の職場の部門長となってからも数か月間、K君がひとりで抱え込んでいた問題です。

なぜそれに気づいてやれなかったのか・・・悔やんでも悔やみきれない思いです。

今、この組織を預かる立場としては、過去の失敗から学び、二度と同じ過ちを繰り返さないマネジメントをすること。

それしかありません。

そしてK君。

彼は優秀な人間ではありますが、気が弱いのにプライドが高いというちょっと難しいキャラなんです。

だから今回の件で、自分の取った行動が間違っていたことは誰よりもわかっているはずです。

青葉

2年間ヘソを曲げ続けるのもしんどかったでしょう笑

ここで正論を振りかざして彼に説教するのは、私に言わせれば「上司の自己満足」です。

だから私は彼に何も言いません。サッサとこの件を収束させるだけです。

ちなみに今の担当役員は、前任の担当役員以上のパワハラキャラです。

言い訳どころか、部下の発言をほとんど聞かない強敵です笑

K君では太刀打ちできない相手なので、どのみち私の出番ということです。

青葉

結果、30分間の拷問に耐え、なんとか承認をもらうことに成功しました!