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【賛否両論】家族葬を「断行」した話|会社関係者の参列は辞退させていただきました

私の父親が他界して葬式をしたときの話です。

喪主は私です。

父親は病気でずっと入院していたので、心の準備はできていたのですが、ひとつ準備できてなかったことがありました。

「仕事関係の人はどうしよう??」

最終的には家族葬にして、親族だけでこじんまりとやったのですが、当時はいろいろ物議をかもしたんですよ。

私の実体験をお話します。

私の特別な事情

「仕事関係の人はどうしよう??」

職場には当然連絡しますが、問題は「社外の仕事関係先」です。

自分の立場を自慢するわけではないのですが、私のこれまでのキャリアと今のポジション的に、この「社外の仕事関係先」が数百レベルなのです。

もちろん、私から直接「社外の仕事関係先」に訃報連絡をすることはありませんが、どこかから外部に漏れるでしょう。

そして、私が喪主となる葬式となれば、噂は広まります。

この数百レベルの関係先が、彼らの社内規定や個人の判断によって弔問に訪れることが想像できます。

その中には、社命で訪れた私と面識のない方もいらっしゃるでしょう。

たとえ会社に「家族葬にするので来ないでね、香典も辞退させてね」と伝えたところで、数百社もあれば「そうは言っても・・・」と弔問に来られたり、香典を出したりするところが出てくるはず。

そうなったら何が起こるか?

「うちは青葉さんの考えを尊重したのに、A社さんは参列して香典も出したらしい。だったらうちも参列すればよかった」

とか、そんな話になりかねないんですよ。

ひどい場合は、後日香典を持ってくるとか、そんな会社も出てきかねません。

考えすぎかもしれませんが、とにかくこっちは身内を亡くして静かにしておきたいので、まわりがゴタゴタするのは絶対に避けたい。

私が選んだ手段

会社には連絡しなければならないが、「社外の仕事関係先」の方には知られたくない

でもこれがむずかしいのです。

なぜなら、私の会社のルールで、管理職の葬儀に関する情報は全社展開されるからです。

職場に葬儀の場所や時間を連絡すると、弔電や供花を準備する総務部に連絡が入り、それが自動的に全社に展開されます。

そうなると、どこかから社外に情報が伝わるのは必至。

悩んだ結果、職場には葬儀についての連絡はしたのですが、全社に展開する際には、葬儀の場所と時間を伏せるようにお願いしました。

会社からの弔電や供花を準備する総務部門には、職場の庶務に頼んで交渉してもらいました。

弔電や供花の準備だけはしてもらうけど、社内展開するときには葬儀に関する情報を消去してくれ、と総務部にお願いしました。

合わせて、職場のみんなには「葬儀の場所と時間は口外しないでね」と念押ししました。

これは社内の慶弔ルールを無視した行動なのですが、私の部下も困惑しなかがらも承諾してくれました。

これで、「社外の仕事関係先」が葬儀に殺到することはありません。

 

次は職場の上司や仲間たちです。

こちらも「家族葬にするので参列はご遠慮ください」ということにしました。

ここでも問題が起こりました。

「いや、そうは言っても自分は行くから」

という方が数人いたのです。

ありがたい話です。涙が出そうです。

でもお断りしました。

つらかったけど、断固拒否しました。

私にとってはつらい判断ですが、ひとりでも例外を認めたら、他の参列を遠慮してくれている人に悪いと思ったからです。

社外の仕事関係先だけではなく、職場の中でもゴタゴタするのは避けてもらいたかった。

 

もうひとつの理由があります。

まだ当時は、少なくとも私のまわりでは一般的ではない「家族葬」のあり方について、先例を作っておこうと思ったのです。

私の会社で働いている人は出身地が日本全国様々です。

職場の誰かの身内に不幸があるたびに、上司は新幹線や飛行機に乗って通夜や葬儀に参列します。

もちろん急な話になりますので、仕事やスケジュールの調整や、移動する本人の心労などいろいろと大変です。

私自身、そんな経験をたくさんしてきたので、いざ自分が喪主になったときには、少し思うところもあったのです。

その後

落ち着いてから職場のみんなと話をしたのですが、賛否両論でした。

「職場の人くらい参列を許してもよかったんじゃないか」

「あそこまで拒絶しなくても・・・」

という意見がある一方で、

「実は私もモヤモヤしてたので、いい先例を作ってくれてありがとう」

「うちも親が危ないんだけど、同じようにさせてもらうよ」

という方もいました。

どちらかといえば「ありがとう」の方が多かったです。

地域にもよりますが、最近では、家族葬がかなり広まってきました。

新型コロナ対応によって、より広まってきていると思います。

 

賛否両論はありましたが、家族葬にしてよかったと思っています。

仕事関係の人の対応に追われることなく、久しぶりに会えた親戚といろいろ落ち着いて話ができました。

疎遠になっていた親戚ともLINE交換したりして、あらためて親族の結束が強くなりました。

 

他界した父親も、そんな親族の姿を見て安心してくれたかな、と思ってます。

青葉

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青葉