大手商社とトラブル発生!|大手メーカー調達業務の最前線【青葉の働き方】

今日の記事は・・・ただの日記です笑

大手メーカーと大手商社のトラブル、というよくある話です。

 

リアルなビジネスの現場をのぞいてみたい人

サラリーマンって何してるの?と疑問に感じている人

調達の仕事ってどんな仕事なのか興味がある人

 

そんな方に、私の日記をお見せします。

でも今回のトラブル。

私が丸く収めたのですが、多くの人から感謝を言葉をもらいました。
仕事をしていて、 「ありがとう!」 って言われるのはやっぱうれしいもんです。

決して感謝されることを期待したわけではありません。
でも多くの方に感謝してもらい、今日はしあわせな気持ちで仕事を終えることができました。

■純正アクセサリーの調達

私はメーカーの調達部門で働いています。
私の部門では主に、工場で大量生産している製品に使う、材料や部品などの量産品を調達しています。
会社が日々の生産活動で使うものなので、量も金額も莫大です。
 
一方、うちの会社では、「純正アクセサリー」というモノも調達しています。
 
これは、うちの製品をご購入いただいたお客様が、その製品をご自身でカスタマイズしたいときに使うアイテムです。
「純正オプション」とも言います。
たとえば、スマホにつかうスマホケースや、自動車につけるカスタマイズ部品などです。
 
これらの純正のアクセサリーは、調達する量も金額も、量産品に比べるときわめて少ないのです。
しかも、調達先はアクセサリー品専門のメーカーがほとんどです。
調達してからお客様に届ける方法もルートもまったく異なります。
 
そんな訳で、アクセサリー品の調達は、私の部門とは別組織で調達業務を行っています。
同じ調達の仕事とはいえ、ほとんど関わることがない組織です。
 
そんなアクセサリー調達部門の担当者から、私に一通のメールが届きました。
 

■アクセサリーメーカーがゴネている??

「アクセサリーメーカーがゴネていて、仕入ができません。何かよい解決策はありませんか?」
 
アクセサリーの調達先は、比較的小規模な企業が多く、また取引社数も多岐にわたります。
よって、商社を経由して調達するケースが多いのです。
 
アクセサリーメーカー → 商社 → 私の会社
こんな商流になっています。
 
私の会社と直接取引するとなると、様々なややこしい契約、品質保証の取り交わし、専用調達システムの導入などなど、大変手間がかかります。
年間取引額が小さく、また企業規模の小さな会社すべてと、直接取引の契約を結ぶのは、お互い手間になります。
でも商社を通せば、商社がすでにうちと契約を結んでいるので、容易に私の会社と取引ができるのです。
 
今回のケースでも商社を経由していました。
しかもその商社は、日本を代表する大手商社のひとつです。
 
詳しく話を聞いてみると、、、
 
わが社のオーダーに対して、アクセサリーメーカーが納品拒否をして、仲介している商社が泣きついてきたと・・・
 
実はこの手の相談はうちの部門(量産品の調達部門)にたまにあるんです。
 
うちの部門には「そんなのうちは助けられないよ」と断る人もいます。
いや、断る人の方が多いかもしれません。
 
断るのに十分な理由があります。
 
うちの部門は、アクセサリーメーカーなんて会ったこともないし知らない。助けようがない。
わが社の直接取引先は商社なので、商社がすべて責任持って対応すべき(そのための手数料も払っている)
 
ただでさえ忙しいのに、手伝いようがないことを頼まれても、断りたくなりますよね。
むしろ
「商社は何やってんの??」
と軽い憤りすら覚えるでしょう。
 
でも私は、この手の相談はまず断りません。
むしろ、自分の仕事を後回しにしてでも全力でサポートするようにしています。
その理由は、 
お客様のため
 
です。
 

■お客様のために!

わが社の製品は、調達された量産品が工場で製品に生まれ変わり、その製品が出荷され、しばらくしてから店頭に並びます。
そして店頭でお客様にご購入いただいています。
製品を誰が買うかはメーカーからは見えませんし、わかりません。
 
でもアクセサリー品は、実際にわが社の製品をご愛用いただいているお客様が、直接オーダーして、手元に届くのを待っている可能性が高いのです。
 
量産品もアクセサリー品も、お客様のためには重要な調達品ですが、アクセサリー品は、量産品よりもお客様に近いところに位置しています。
 
つまり、アクセサリー品の納品トラブルは、即、お客様にご迷惑をおかけすることになるのです。
 
こんなこと言うと怒られますが、量産品は少々納品がトラブっても、店頭でご購入されるお客様にすぐに迷惑がかかるわけではありません。
工場の人からはめっちゃ怒られますが、同じ社内の人相手なら謝れば済む話笑
 
わが社のブランドやお客様の信頼を損なうリスクは小さいと言えます。
 

■聞いていた話と違う・・・

私に相談してきたアクセサリー調達担当者は、なにしろ日本を代表する商社が「手に負えない」と言ってるので、かなり焦った様子でした。
 
でも私は知っていました。
 
商社マンの中には、ものづくり、ってものを理解していない人が多いことを。
 
私も大手メーカー調達部門の管理職なので、どの大手商社にも幹部クラスの知り合いがいます。
 
まず私は、その商社の幹部に事情を説明して、アクセサリーメーカー(A社)と直接会話することの許可を得て、連絡先を教えてもらいました。
商流としては、わが社とA社は何の関係もありませんので、商社をすっ飛ばして私が直接話をするのは筋が通らないからです。
 
筋通しをして、私はA社の営業部長にいきなり電話してみました。
 
「もしもし、お世話になります。○○株式会社調達の○○と申します。」
 
「え??ええ!?はい、どういったご用件でしょうか??」
 
やっぱりいきなり私が電話したので驚いてました。
 
「○○商事さんの件です。お困りのようですね。」
「ああ!はい、ほんとご迷惑おかけしており申し訳ありません・・・」
 
話を聞いてみると、事実はまったく違っていました。
 

■事件の真相

アクセサリー調達担当者は、商社から「A社が納品拒否してゴネている」と聞いていたそうです。
ところが、このA社は、お客様に迷惑はかけられない!と全社をあげて頑張っていたのです。
 
わが社から商社に対して出したオーダーは、4月16日に2000個納品してほしい、でした。
商社はそれをA社に伝えました。
A社は「それは無理です」と商社に回答。
それが商社からうちに「A社がゴネている」と伝わったようなのです。
 
A社の話を聞いてみると、2000個納品するのが難しい理由がわかりました。
大きな理由は2つ。
 
① このアクセサリーの製品開発が完了したのがつい最近で、生産開始する準備が間に合わない
② 工場の稼働がパンパンの状態で、生産キャパが足りない
 
また、
 
「4月16日に2000個は無理だが分割納入ならいくらか納品できるかも」
 
と商社に相談したが返事がない、とも言ってました。
 
なるほど。
 
間に入っていた商社マンは、ものづくりのプロセスをよくわかっていなかったのです。
しかも、ちょっとコミュニケーションがヘタクソ。
そして、アクセサリー調達担当者も、商社の言うことを鵜呑みにして、生産現場で何が起こっているのか、想像すらできていなかった。
 
量産品の調達現場では、生産準備が間に合わないとか、生産キャパが足りない、といった話は日常茶飯事です。
 
A社の営業部長さんも、やっと話がわかる人があらわれた、と嬉々として状況を教えてくれました。
 
すぐに私は、商社の幹部と、アクセサリー調達部門の責任者に連絡をとりました。
そして事実を正確に伝えました。
 
この2名はさすがに話が分かる人でした。
即、新幹線のチケットを手配して、この2名でA社の工場を訪問することになったのです。
それが今朝の話です。
 

■一件落着!

夕方、A社の営業部長さんから電話がありました。
 
「ありがとうございました!皆様にご訪問いただいてなんとか話がまとまりました!」
 
結果的に、4月16日2000個はさすがに無理でした。
そもそも、うちのオーダーのかけ方自体に無理があったのです。
A社の生産準備のリードタイムも生産能力も無視したオーダー。
それを右から左に流した商社。
 
訪問した2名は、A社に対して、まずは平謝りしたそうです。
 
お客様に頭を下げられ、A社も漢気を見せないわけにはいきません。
 
A社工場長の判断で、かなり無理をして、4月16日に1000個。残りを4月末に納品することを約束してくれたそうです。
 
A社営業部長さんからのお礼の電話を切った直後、今度は商社幹部の方から電話がかかってきました。
 
「関係ないのに間に入ってくれてありがとうございます。今回の件は申し訳ありませんでした・・・」
 
そして、アクセサリー調達部門の責任者からはメールが届きました。
ccには関係者10名くらい入ってました。
 
「本当に助かりました。ありがとう。唯一悔やまれるのは、もっと早く君に相談しておけばよかったという事・・・」
 
という事で、一件落着!
 
私はこんなことを毎日やってます。
人から頼まれたこと、相談を受けたことは、自分の仕事を後回しにしてでも全力対応です。
 
そういう働き方を20年以上続けていますので、もう社内、社外、ありとあらゆるところに強力な人脈を築いています。
そうなると、仕事も楽しくなり、人生そのものが充実してくるのです。