会社や職場にはいろいろな仕事があり、それぞれの仕事には目標があります。
目標にも、具体的な数値の目標もあれば、「こういう姿を目指したい」という状態の目標もあります。
数値の目標 → 売上前年比30%アップ
状態の目標 → 年内に資格を取る
この記事でお話する目標は、「こういう姿を目指したい」という「状態の目標」についてです。
目標は経営者や管理職がつくって下に投げることもありますが、職場のみんなで考えることもあります。
もちろん、与えられた目標よりも、自分たちで考えた目標の方がやる気は出ますよね。
ただ、職場の全員集めて「このプロジェクトの目標を決めよう!」となった場合、あーでもないこーでもないと何時間も話し合ったけど結論が出ず・・・なんてこと、ありませんか?
そんな会議を1時間で終わらせるために、私が実践している「鉄板のプロセス」を紹介します。
(学問的には「制約理論のODSC」とも呼ばれているプロセスなのですが、小難しいことは抜きで)
目標を考えるためには、この3つの質問を順番にクリアにしていくだけです。
この質問を集まったメンバーに順番に投げかけて、答えを出していきましょう。
仕事に「目的はひとつしかない」なんてことはありません。
部下の立場や役割によって仕事の目的は変わってきます。
また視点によっても目的は様々です。
会社経営の視点
お客様の視点
人材育成の視点
社会貢献の視点 などなど
いろんな立場や視点から見た目的が、すべてテーブルの上に出てくるように議論を盛り上げましょう。
たとえば、「高齢者でも楽しめるオンラインゲーム発売」というプロジェクトがあったとすれば、こんな目的が出てくるかもしれません。
お客様の視点
→ 高齢者を孤独から救う
人材育成の視点
→ 人間工学に精通した技術者の育成
社会貢献の視点
→ 高齢者に健康と活力を提供する
ここまでで出てきた目的それぞれに、その目的を実現するために必要なもの(こと)をみんなで考えてみましょう。
例えば、、、
高齢者を孤独から救う
→ 高齢者と若者がネットでつながる仕組み
人間工学に精通した技術者の育成
→ 大学や研究機関との共同研究
高齢者に健康と活力を提供する
→ 脳の老化予防になるゲーム内容
ここでありがちな勘違いは、これら「必要なもの」を「目標」にしてしまうことです。
ここまではあくまで「手段」の話です。
おもしろいゲームソフトを作った「つもり」でも、実際にユーザーに楽しんでもらえなければ意味はありません。
「いいものを作りさえすれば売れるだろう」と過信してビジネスに失敗する企業はたくさんあります。
そうならないために、次の質問があります。
これが最後の質問になります。
難しそうな質問ですが、ここまでで「必要なもの」は明確になっているので、後は、それぞれがどういう状態になれば成功したと言えるのか、考えるだけです。
高齢者と若者がネットでつながる仕組み
→ 一般的なゲームよりも高齢者の利用が多い状態
大学や研究機関との共同研究
→ 共同研究契約が締結されている状態
脳の老化予防になるゲーム内容
→ ユーザーの脳年齢向上が確認できる状態
これで「目標=目指すべき姿」が明確になりました。
今回のゲームソフトの事例は、私が適当に考えたものなので少々乱暴だったかもしれません。(スミマセン)
でも、この3つの質問によって、ぼんやりした目的が、より具体的な目標になってきたことはご理解いただけたかと思います。
ここまで具体的に目指すべき姿が見えてきたら、次は「じゃあどの程度を目指そうか」と数値の目標やより具体的な目標を設定していけばよいだけです。
みんな次に何をすべきか、手足が動きやすくなりますね。
何よりも、みんなで話し合ってつくった目標です。
メンバー全員が、この目標を「自分ごと」としてとらえ、一生懸命取り組んでいくことでしょう。
みなさんの職場でもぜひこのやり方を試してみてください。
とてもシンプルでカンタンな方法です。
まずは考えるよりもやってみることです。