経営者や上司の【無茶振り】にうんざりしてませんか?

『無理をさせ、無理をするなと、無理を言う』

そんなサラリーマン川柳を聞いたことがあります。

会社で働いていると、経営者や上司からの無茶振りってよくある話です。

「来年は売上を3倍にしろ!」

「次の製品では原価を半分にしろ!もちろん性能ダウンは認めない!」

「明日の朝イチ会議に間に合うように資料作成してくれ」

 

気の知れた上司が相手であれば「いやそれはさすがに無理っすよ」なんて正直に相談することもできますし、「納期優先するなら質は少し落としてもいいですか?」とか調整することも可能です。

でも、相手がワンマン経営者や鬼上司の場合や、ちょっと弱気の部下だったりすると、そんな相談も調整もできず、ひとりで抱え込んでしまうことも少なくありませんね。

そんなときには、こんな心の声が聞こえてきそうです。

「来年は売上を3倍にしろ!」

⇒ (いや、具体的にどうすればいいか教えられるもんなら教えろよ)

「次の製品では原価を半分にしろ!もちろん性能ダウンは認めない!」

⇒ (そんなのできる訳ないだろ、製品の作り方とか理解してそれ言ってるの?)

「明日の朝イチ会議に間に合うように資料作成してくれ」

⇒ (たかが資料でも作るのがどれだけ大変かわかってないのか・・・)

 

挙げ句の果てには、

(こんな経営者がいるような会社はダメだ)

(こんな人は管理職として上司として失格だ)

(役に立たずは早く辞めてしまえ!!)

(あんたが辞めないのなら、私が辞めてやる)

 

頑張っても頑張っても報われない日々。やってられませんよね。

辞められる人は辞めてしまうのも懸命な判断だと思いますが、そうはいかない人もたくさんいます。

私もそうです。

大きな会社でそこそこの給料をもらっていますので、家族のことを考えると容易には辞めれません。(まだ独身30代・・・とかならよかったのですが)

 

私は大企業の経営企画部門で働いています。

まさに、経営者の無茶振りと現場の実態の板挟みで、日々苦悩している部門であり、ポンコツ上司の下ではメンタルを壊す人が後を絶ちません。

 

経営者や上司は辞めてくれない、そして私も辞めるわけにはいかない。逃げられない。

そんな状況で、自分の心を傷つけてしまわないためには、どのようにすればよいのでしょうか?

一呼吸おいて事実に目を向けてみよう

「来年は売上を3倍にしろ!」

聞いた瞬間に怖気づくような無茶振りですが、売上を3倍にしなければならない理由が必ずあるはずです。

きっと2倍ではダメ、4倍ではやりすぎ、3倍、なのです。

まさにそういう「○倍」という数字をはじいて、経営者に提案しているのが経営企画部門なので、私にはよくわかります。

理由は様々だと思いますが、例えば・・・

社会や環境からのニーズによって、脱炭素対応のため莫大な投資がこれから必要となっているが、なんとか雇用を守りながら収益を維持していくためには、売上を3倍にしなければならない
自社に強みがあるサービスに他業種が参入しようとしている情報をキャッチしたが、迎撃してシェアを維持するためには、更に市場を拡大する必要があり、現状の3倍の売上が必要

「3倍」という数字には、きっとそれなりに根拠があり、その根拠には企業機密情報なども絡んでくるため、おおっぴらに説明できなかったりするのです。

結局は、経営者や上司の無茶振りは、あなたの雇用や収入を守ろうとしている結果なのかもしれません。

無茶な要求にカッとなる気持ちを少し抑えて、あなたの会社や事業、マーケットが、今どんな状態にあるのか、社会や環境のニーズ、行政の動向など、事実に目を向けてみてください。

そして、企業機密情報ということで無茶振りの根拠を教えてもらえないのであれば、自身で想像してみたり、上司や同僚と話をしてみてください。

「どうやってこれ実現するの?」という疑問は残りますが、少なくとも「無茶振り」の「無茶」という文字は薄くなってくるのではないでしょうか。

経営者や上司も同じ「ただの人間」です

経営企画部門で経営者と一緒に仕事をしているとよくわかるのですが、経営者というのは、下から無能だ、バカだ、辞めろ、なんて思われても、それでも会社の将来や顧客のこと、従業員の雇用や収入を守るためにどうすればいいか、想像を絶するプレッシャーの中で日々悩んでいます。

人より多少は気力体力があったとしても、同じ人間で、1日は24時間しかないのに、です。

経営者や上司は、神や超人ではありません。

そんな上の人たちを、なんでもできる人、なんでもやるべき人だと過信している人に限って、無茶振りに否定的になっていないでしょうか?

上司「明日の朝までに資料作っておいて」

部下「さすがにそれは・・・今日は子供の送迎があるのですみませんが帰ります」

上司「ムム・・・じゃあ俺が残業してやるしかないか・・・」

そんな上司にも、パパの帰りを待ちわびている小さな子供がいるのです。

 

経営者や上司を、「ただの人間」と考えたときに、そんな「ただの人間」を部下として社員としてしっかりサポートできているでしょうか?

 

「無茶振り」が、実は根拠のあるものであった場合でも、忙しい経営者はいちいちその根拠をみんなに説明する時間はありません。1日は同じ24時間しかありませんから。

ここは中間管理職が社員にしっかりと説明するべきです。

「社長がこう言ってるから・・・」と右から左に指示を垂れ流している管理職、いませんか?

それじゃダメです。

 

「無茶振り」が本当に無茶な要求であった場合、彼らが最善の意思決定を、適切なタイミングでできるように、情報や提案を提供できているでしょうか?

そう考えたときに、経営企画部門の管理職である私としては、「無茶振り」を否定するよりも、「無茶を言わせてしまったこと」を反省してしまいます。

エクセルで計算しただけの数字を経営者に乱暴に投げつけて、「経営者なんだから後は自分で考えろよ」なんて思っている人、いませんか?

その数字が、どれだけ現場が頑張った結果なのか、これからどうなっていくのか、今後どうしていくべきなのか、外部環境はどのように変わってくるのか、ちゃんと提案ができているでしょうか?提案のタイミングは適切なのでしょうか?

もう一度いいますが、経営者も上司もただの人間で、1日は24時間です。

一般社員よりはいろいろな情報にアクセスできるとはいえ、全知全能の神ではありません。

なんでもかんでも知っている訳ではありません。ふんぞり返って、知ったフリをしているだけかもしれません。

どんなに偉い人でも、同じ人間だと思えば、しっかり支えてあげないといけない情も湧いてくるのではないでしょうか。

その情は、巡り巡って、部下の雇用、収入、家族の幸せにつながっていくのですから。

 

結局、会社で働いている限り、「無茶振り」から逃げることはできません。

「経営者の仕事は強欲であることだ」なんて言葉も聞いたことありますが、会社も競争社会の中で生きている限り、無茶にチャレンジし続けることによってのみ、存続が許されます。

だからこそ、「無茶振り」で自分の心を壊してしまうのではなく、少しでも前向きに「無茶」に立ち向かっていきたいものですね。

そんな「無茶」を受け入れ、楽しめる会社や組織は最強だと思います。

青葉

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青葉