2019年9月11日に発足した第四次再改造内閣で、小泉進次郎さんが初入閣し、環境大臣及び原子力防災担当大臣に就任されました。
38歳、戦後3番目に若い閣僚の誕生です。
戦後最年少は2008年に34歳で少子化相に就いた小渕優子氏
二番目は1998年に37歳で郵政相に就任した野田聖子氏
男性では小泉環境相が最年少ですね!
政治家の記者会見は、いつもならテレビのニュースでさらっと見る程度なのですが、今回はYoutubeで1時間以上にも及ぶ記者会見をじっくりと拝聴しました。
なぜなら、こんな発言があったからです。
「環境省=社会変革担当省と、そういった思い、また私、今SDGsのバッジをつけていますが、環境省こそがSDGs省と、私はSDGs大臣と、そういったふうに進んでいくように取り組みを進めていきたいと思っています。」
最近よく耳にするSDGs!
外務省との連携にも期待!!
堂々した話し方だけでなく、その内容も熱く真っすぐで、とても好感を持ちました。他の大臣の記者会見がかなり残念だっただけに、小泉大臣のポテンシャルの高さを感じます。
しかし、この入閣は小泉大臣にとっては大きな試練でもあると感じました。
環境省は省庁の中でも”中小企業”という位置づけであり、予算も人員も他省庁と比べたら圧倒的に少ない。その上、福島や原発といった根深い大きな国内問題を抱え、さらにSDGsです。SDGsは外務省がリードしているとはいえ、国際的な取り組みであり、環境省も国内問題だけ見ていればよい訳ではありません。
更にプライベートでは、もうすぐパパとなるわけで、イクメン大臣となるのです。
「いずれは総理大臣」と国民の期待を背負った若き大臣!
その手腕が問われることになりますね
小泉環境相の就任記者会見の発言から、SDGsに関連する発言のみ抜粋して文字おこししました。(発言をほぼそのまま文字にしております)
私が感じたキーメッセージは2つ。
SDGsの取り組みにおいては、”日本発”で世界をリードしていく!
”イノベーションと個人の取り組み” この両輪で環境と成長の好循環を実現!
日本政府のSDGsに対する取り組み宣言そのものですね
「これからの時代、地球規模の課題の、この気候変動の取り組みに対して、どのような取り組みを日本はやっているのか、そしてひとりひとりの政治家や国民はどういう思いでいるのか、それを語れなければ、世界で勝負はできないと思います。ですので、これからの時代の必須科目、それがこの気候変動だと、日本は自然を大切にして自然とともに生きてきた、それを世の中の力や社会の魅力に変えてきた国ですから、ちゃんとそれを国際的な影響力や日本のプレイヤーとしての力を高めていくことは必ずできると思って、環境大臣として、この気候変動、この問題は日本国内でも海外と同じかそれ以上に真剣に、メディアの皆さんも政治も国民レベルもみんなが本当に一丸となって取り組んでいて、その結果こんなすばらしい社会が、人口が減ってもできたんだなと、だから人口が減っても豊かさ活力を失わない社会が実現できたんだと、そんな社会を築きたいと思います。」
「持続可能性が問われている、このサテナビリティという、この問題について主導的に担っていくのが環境省なんだ、今までやってきた環境省の仕事、そして環境に対する先進的な取り組みというのは日本が世界に売れます。この日本の強みを発揮できる日本にしかできないことそれこそがまさにこの分野だと思うのでしっかり働きたいと思います。」
「環境省というと、環境環境ばっかりいっていて、経済界とか産業界からすると環境ばかり言ってるね、経済とか雇用とかそういったことはぜんぜん考えていないと、だからいつもややもすると環境省対経産省みたいなね、そういった構図が今で見られたと思うんですけど、もうすでに環境省が言い出してるのは環境と成長の好循環を作っていかなきゃいけないと、そこに頭がもう変わってますから、変わってるんだよと、そういったことも含めて、今まで環境省ががんばってきたことをしっかりと伝えていくことも仕事だし、総理からはやはり海外への発信もよろしくね、というお言葉もあったので、さっそく今後のスケジュールを役所といろいろと確認しましたけど、海外への発信の機会も今後出てくると思うので、そういった機会そしてまた今までの様々なネットワーク、人脈、そういった中でもいろんな機会で発信をしていきたいな、と思っています。」
「私は”日本らしい日本”という言葉を、これからの未来づくりのキーワードとして掲げていますが、その”日本らしい日本”というその言葉の中に、そしてそれを政策に落とし込んでいったときに、この環境分野、気候変動、その部分において、”日本らしい日本”の核となる政策分野は間違いなくこの環境分野になるだろうなと。だから環境省という省は、社会変革担当省と、SDGs担当省と、そういった思いを持って取り組むと言っているのは、環境だけを考えているのは環境省ではないと、社会全体に大きな変革を起こして、ひとりひとりの国民の行動が変化をし、社会全体を、歯車が回ってくように変えていく。そういった夢のある取り組みをやっているのが環境省だと思いますので、その思いを共に、噛み合わせて、いい日本を作っていきたいと思いますね。」
「環境省イコール環境、環境、環境ばかりで経済や雇用のことはまったく考えていないというステレオタイプな見方、そういったことって今そんなことないなというのが今日一日だけでもよくわかりますね。もう確実に、環境と成長の好循環を実現して、脱炭素社会を築いていくんだと、そういったことってのは、私は環境省も経産省もそして経済界もそして多くの国民の間でもそこは共通の認識なのではないかな、と思っています。」
「イノベーションなくして達成はできません。普通のイノベーションの後押しをやっていく。環境問題に取り組むことが、経済や雇用に悪影響を及ぼすのではなく、それこそがビジネスチャンスを生むんだ、と、まさに環境と成長の好循環を、ESG投資の日本への呼び込みも含めてやっていきたい。」
「大阪(G20で合意された海洋プラスチックごみの対策)で約束したことというのは、イノベーション無くして達成できません。普通の巡航速度で行ったら、達成は無理だと思いますね。ですので、このイノベーションに対する徹底的な取り組みと加速と、そして海外国内、国内では国民運動をしっかり広げ、海外では日本の取り組みを展開を広げていく。」
「一個のイノベーションで大阪のビジョンが達成できるかと言ったらできませんから。イノベーションが連鎖を起こして次々にイノベーションを起こして達成できるという、その絵図をどうやって描けるかっていうのはまさに国際的な協力も必要ですし、海外で日本以上に取り組んでいるところがあれば、それがどうやって社会の中で実際に成功しているのか、その国々によって様々な状況もあると思うので、私もそういった関係者の話を聞きながら、時間や状況が許せば自分の目で見ながら実現に向けて全速力で走っていきたいと思います。日本だったらきっとできると思います。」
「イノベーションも不可欠だし、ひとりひとりの意識が変わり行動が変わり社会が変わる。その連鎖が起きて初めて国や未来は変わると思います。なので法律ができてそれで終わりとかそういうことではなくて、だから環境省がやっている国民運動だったり、環境教育だったり様々な取り組みを通じて、ひとりの意識でも変われば、それが連鎖をして、社会が変わるかもしれないと、だから社会変革担当省だと私は言ってんです。そこにはイノベーションも不可欠で、そのイノベーションは様々な分野でおきてますが、この環境分野におけるイノベーションっていうのは、私はもっと知られていいと思うし、そして海外に、これこそまさに人口が減ったって、世界の中での日本の経済のシェアが相対的に低くなったとしても、日本がどこの国から必要とされるものはこの環境分野なんだと、これは全世界から求められる、私はそういう分野だと思ってますから、イノベーションを強く打ち出していることが、ひとりひとりの小さな取り組みのことを軽視していることではないと。両方必要なんだということを忘れないようにこれからも発信をしていきたいと思います。」
「イノベーションは階段じゃなくて、エスカレーターとかエレベーターみたいなもんですから、段階を追って上がってくんじゃなくて、非連続にスコーン!と上がるんですよ。だからこれは、まさに今、世界の中では再生可能エネルギーのコストってのがイノベーションによって劇的な下がり方をしてますよね。ああいったことだって別に階段状で下がっているわけじゃないんです。こういったことが一日も早く起きて、達成不可能だと思われた目標が、達成可能だと、いうふうになってくのがイノベーションで、だから最近そういったことを、ムーンショットって言われるじゃないですか。あれはまさにケネディ大統領が人を月に送ると、そんなの出来っこないよって言われていてから8年でやったんですよ。それだけ前にできたことが、イノベーションが今の時代にできないとは私は思いませんので、イノベーションも大事、ひとりひとりの行動の変化も大事、両方しっかり訴えていきたいと思います。」
記者会見中、夜遅く大勢集まった記者のみなさんに対して、
「早く終わらせて帰りましょう!」
と連呼していた小泉環境相。
疲れたから早く帰りたかったんじゃないの?
それも否定はできませんが、それだけではないと思います。
2018年10月から、小泉環境相は自民党厚生労働部会長をされています。「人生100年時代の生き方」というテーマに取り組んでいるのです。
そんなバックグラウンドから、
「いったいみんな何に時間をかけているんだ?環境省の職員は何に付き合わされているんだ?」
と問題意識を持たれたのだと思います。
朝から場所を変えつつ、記者から同じような質問を何度もされていたのでしょう。そしてそれに付き合わされて夜遅くまで残業する環境省の職員。
メディアを通じて情報発信することの重要性は小泉環境相も十分承知ですが、それにしてももう少しやり方があるのではないか?と問題意識を持たれたのでしょう。
そしてご自身の働き方についても言及されました。
「私の妻(滝川クリステルさん)は今41歳で、来月42歳になりますが、高齢出産です。だから私の気持ちとしては、ほんとに無事を願ってます。元気に健康で過ごしてほしいし、その日を迎えてほしい。だけど8月から激動の日々で、変化が著しくて、さらに今日私が大臣になるということもありましたから、ほんと大変だと思います。だから私としては、大臣になったから家のことはよろしく、ではなくて、大臣になったから家のことはもっと頑張ります、そういう時代だと思います。」
「働き方改革」は厚生労働省が担当して推進していますが、SDGsの国際目標達成とも密接に絡んでいる取り組みでもあります。この点においても、小泉環境相の今後の活躍には期待しています。
CSR(企業の社会的責任)とは? 企業に勤めた経験のない方には聞きなれない言葉かもしれません。 SDGsは世界各国が目指すべき世界共通の目標であり、国家レベルでの目標です。 CSRはそういった国家レベルの目標達成に向けて、企業が独自に定めた行動指針のようなものです。
今回の記事では、2015年に採択されたSDGsに対する企業の取り組み状況についてお話します。 企業はSDGsへの対応をどのように進めているのか? 企業はSDGsについてどのように考えているのか? 企業のSDGsに対する取り組みにはどんな課題があるのか? CTimeと企業で作る未来とは?