よく部下に言ってます。
「上の人にはゴマすりしろ!俺にもゴマすりしろ!」
何も「媚びへつらえ!」と言ってる訳ではありません。
考え方ひとつで、この「ゴマすり」がビジネスの現場において大きな力を発揮するのです。
ところで、部下力という言葉、聞いたことありますか?
管理職に求められるリーダーシップという言葉に対して、フォロワーシップと呼ばれることもあります。
一般的にはこんな意味です。(私なりの解釈含む)
どうですか?
こんな部下になれたら上司に気に入られ、大きな成果も出て、楽しい会社生活が過ごせますね。
上司の立場から見ても、まさに理想的な部下ですね。こんな部下がいるチームは大きな成果が出せることでしょう。
このような部下力を身に付けるに、私がおススメしているのが
ゴマすり
なんです。
ゴマすりの語源って知ってますか?
すり鉢でゴマを擦った時、ゴマがあちこちにくっつきますよね。そのあちこちにゴマがくっつく様が、見さかいなく人に媚びへつらう様子に似ていると・・・それが由来になってるそうです。
そんな由来の言葉なので、そもそもゴマすりっていう言葉には、「あざとい」「卑劣」といった悪い印象がありますよね。
でもそんなことは気にする必要ありません。
目上の人を褒める、そして気持ちよくなってもらう、という事にいったい何の罪があるのでしょうか?
あなたに媚びる気持ちや下心があってもいいんです。相手が誰であれ、褒め言葉自体に罪はありません。
「部長、いい時計してますね~」
「さっきの会議、課長の発言に感動しました!」
「先輩のアドバイスで資料がすごく見やすくなりました!」
いずれも何の罪もないステキな言葉です。
ただし!ゴマすりする場合に、ひとつだけ絶対に守らなければならないことがあります。
それは、
ウソを言ってはいけない
ということです。
ロクに助けてもくれない上司に、
「課長のおかげでいつも仕事がうまく回ってます!」
なんて言ってはいけません。
それこそが、あざとく卑劣なイメージの「ゴマすり」そのものです。ただのご機嫌取りです。
もし上司が単純な人間の場合、たとえウソでもあなたの下心に気づくことなく、素直に喜んで機嫌がよくなると思います。相手をするには楽な上司です。
それで機嫌がよくなるのなら、適当にゴマをするのもいいでしょう。
でも、あなたのビジネスパーソンとしての成長を考えれば、このような相手に、ウソをついてまでゴマすりをしても意味はありません。
むしろ、他人に聞かれでもしたら、あなたの信頼や評価にはマイナスになります。
私の経験上、優秀な上司は褒められてもそっけない態度を取ります。内心うれしくても、です。
優秀なビジネスパーソンというのは、基本的に人から褒められたいという理由で行動しません。
他人の目を気にして仕事をしているわけではないのです。
そんな相手に、ウソっぽい褒め言葉を投げかけたところで、不信感を与えてしまうだけです。
「はぁ?何言ってんだろ?なんか下心でもあるのかな・・・」
でも、的を得たゴマすりであれば、たとえ態度はそっけなくても、
(ああ、こいつはよく見てるなぁ、わかってるなぁ)
と内心うれしく感じるものです。そっけない態度は単に照れているだけなのです。
しっかりした上司というものは、自分のことを褒められるよりも、部下の成長を感じることの方が何倍もうれしいものなんです。
ゴマすりの力
それは、
上司のよいところ、見習うべきところを見出す力
なのです。
だからウソがつけない正直な性格の人でもゴマすりはできるのです。
いや、むしろ正直者の方がゴマすりには向いています。
有能な上司がいたら、そのよいところを見つけてください。
一生懸命観察して、考えて、自分が見習うべきポイントを探してください。
見つけたら、それを本人にちゃんとあなたの言葉で伝えてみてください。
上司を喜ばせるためだけではなく、あなた自身のためにです。
あなたの言葉で伝え、上司がそれに反応することで、その言葉はあなたの力に変わるのです。あなたの行動につながるのです。
嫌いな上司、無能な上司であっても、その人のよいところを必死で探してみてください。
どんなにひどい上司でも、なにかひとつくらいは見習うべきところはあるはずです。
それなりに組織に認められて、人の上に立つポジションにいるわけですから、まったくの無能ではないはずです。
ひとつでもいいところが見つかれば、たとえ嫌いな上司でもあなたの力になり、あなたの役に立つのです。
あなたにとって大切な存在になるかもしれません。
いいところが見つかればあなたにとって勉強になりますし、それを上司に伝えることによって、仲良しになれるかもしれません。
職場で上司といがみあっても何ひとつよいことはありません。
それよりも、ゴマすりによって上司の懐に入っていく方が、あらたな発見の可能性、人間関係がよくなる可能性があります。
私は部下に積極的なゴマすりを推奨することによって、
そう願っています。
それこそが、部下力なのです。
私の部下には、人を見る目を養い、それを自らの成長につなげていってもらいたいのです。