部下のモチベーションを上げる「裏技」を紹介|部下の名を歴史に残す

「歴史に名を残せ!」

私が部下を鼓舞するときによく使うセリフです。

いや、冗談ではないんですよ。本気です。

もちろん、世界や日本の歴史に名を残せ、と言ってる訳ではありません。

会社や職場の歴史に名を残せ

と言っているのです。

資産性のある仕事を部下に任せる

組織で仕事をしていると、ルーチンワークと呼ばれる仕事がたくさんあります。日常的に、決まった手順で右から左に流すような仕事です。

たとえば、伝票の処理や定例報告書の作成などです。

また、ルーチンワーク以外には、他部門や上司からの特別な依頼のような仕事もあります。突発仕事、単発仕事とも呼ばれます。

たとえば、役員に予算承認をもらうための承認書作成や、会議で使うための資料作成です。

こういったルーチンワークや、特別な依頼のような仕事には共通点があります。

それは、

資産性がない

ということです。

わかりやすく表現すれば、

とりあえず流して終わりで何も残らない

ということです。

何も残らない、は言い過ぎかもしれません。もちろん、作った書類そのものや知識、経験は残ります。誰かの役には立っている訳ですから、感謝の気持ちも残るでしょう。

それに、いずれも会社の経営を支える極めて重要な仕事です。残るものが少なくとも、当然ながら会社や組織を動かす原動力にはなっています。

でも自らの充実感や達成感がさほど大きい仕事ではありません。流して終わり、です。

一方こんな仕事もありますよね。

● 作業手順書の作成
● チェックリストの作成
● 取引企業の一覧表の作成

こういった仕事は、資産性がある、と言えます。

つまり、部門や組織の財産として残り、長きにわたって多くの人の役に立つのです。

流して終わりの仕事で作った資料は、パソコンのハードディスクの肥やしになっていきますが、資産性のある仕事は、日々誰かの役に立ち続けるのです。

充実感、達成感の大きな仕事です。

一般的には、資産性のある仕事は “スタッフ” と呼ばれる部門が対応することが多いと思います。○○企画部、とか○○管理部、と言われる部門です。総務部や人事部も含まれます。

ところが、このようなスタッフ部門によってつくられた情報やツールは、現場(ライン部門)にとっては使いづらいことが多いのです。

スタッフは現場のことをよく知らないので、かゆいところに手が届きません。

また、ツールを作ることが目的となり、作ったことだけで満足してしまう場合もあるので、現場が使えない情報やツールを一方的に投げ込んでくるのです。

”職場の”歴史に名を残す

自分の職場にとって、本当に役に立つ情報の整理や、業務手順書の整備が必要な場合。

私は自職場で作ってしまいます。

ところが職場のみんなは、ルーチンワークや特別な対応業務で大忙しの日々。

情報の整理や業務手順書の作成なんて頼むと、あからさまにイヤな顔をされてしまいます。

そんなのはスタッフにやらせましょうよ

現場はいつも戦場の最前線です。みんな目の前の納期が迫った仕事をこなすのに精一杯なのです。

まわりを見渡してもヒマ人は見当たりません。

ということで、一番ヒマしている管理職の私が自分でやってしまうのです。

そんな仕事は管理職がやるのが当たり前と言われればそうかもしれません。

情報の整理や業務手順書の作成は管理職の重要な仕事のひとつでもあります。

でも、私は8割程度は自分でやりますが、残りの2割は部下にやらせます。2割くらいなら、忙しい部下も私のお願いを聞いてくれます。

そのかわり、そのアウトプットは100%部下の手柄にします。業務成果の評定では加点にします。

そして、

アウトプットに部下の名前をつけるのです。

たとえば、何かの情報リストを佐藤さんに頼んで完成させたとき、その情報リストに「佐藤リスト」という名前を付けます。

そして、職場で使うときも、その呼び方を普段から使います。

「出張にいくなら、佐藤リストも持っていっとけよ」みたいな感じです。

例えばこのリストの正しい呼び方が「顧客窓口担当者一覧リスト」だとします。それに「佐藤リスト」と名前をつけるのです。

私の経験上、正式名称を使う人はいませんでした。みんな「佐藤リスト」と当たり前に呼び始めます。

これすなわち、

職場の歴史に名を残す

ということなのです。

そして、このような仕事こそが資産性のある仕事なのです。

「くだらない」と思われる方もいるかもしれません笑

私も実際、職場で同僚管理職に笑われました。

でもね、これ以外と効果あるんですよ。

職場の歴史に名を残すことのメリット

職場の資産となる情報や資料に、人名をつけてしまうと、何の資料なのかわからなくなる、というデメリットもあります。

でも私の経験上、それは慣れればよいだけで大した問題ではありません。

それよりも、名前を付けられた本人のモチベーションアップが重要です。

この手の情報や資料というのは、作ったら作りっぱなし、ということが意外に多いのです。

上司の気まぐれで作ってみたけど、誰もメンテナンスしないからいつのまにか使い物にならなくなり、どこにあるかもわからなくなり、資産として残らないことが多々あります。

本来資産として残るべきすばらしいアウトプットが、誰かのパソコンの中に消えていくのです。

でも名前を付けられてしまったら、本人も責任とオーナーシップを感じて、メンテナンスを一生懸命するようになります。

その本人が異動することになった場合は、新しい担当者を任命しなければなりません。でも資料の名前はそのまま残します。

新しい担当者には、また別の資産性のある仕事をしてもらい、彼または彼女の名前を付ければよいのです。

そんな仕事は管理職が考えればいくらでもあります。そういう仕事を見つけ、形にし、強靭な職場を作ることが管理職にとっては重要なのです。

名前を付けられた情報や資料は、管理職が必要だと判断して作った訳ですから、当然多くの人の役に立つものとなっています。

これは便利だ!ということで他部門や上層部にも広まっていきます。

そして部下の名前がどんどん社内で有名になります。

ちょっといやらしい話ですが、部下の昇格審査や人事考課でもとても有利になります。

ああ、君があの佐藤ファイルの佐藤くんか!

そんな声が、役員や他部門の管理職から聞こえる日が来るかもしれません。

部下の名前や仕事ぶりをあちこちで宣伝するのも上司の重要な務めである、と私は考えています。

部下はいつまでも今の職場にいる訳ではなく、これからいろんな職場を経験しながらステップアップしていくのですから。

まとめ

ルーチンワークや特別な対応業務はとても重要です。

でもそれだけでは、職場に資産として残りません。

流して終わりです。ハードディスクの中で溶けていきます。

だから私は、資産性のない仕事は、最大効率で最速で流すようなマネジメントを心掛けています。

そして、浮いた時間で、部下と一緒に資産性のある仕事に取り組み、多くの部下の名前を職場の歴史に残すのです。

職場に残った資産は、その職場を、そして会社を将来にわたってサポートし大きな成果を生み続けるのです。

青葉

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青葉