ひとつあなたに質問させてください。
「あなたの会社は副業禁止ですか?」
「うちは禁止ですね~」と答える方も多いのではないでしょうか?
私のまわりでは、副業するなんて考えたこともない、という人もたくさんいます。
でも副業禁止というのは、わりと勝手な思い込みであったりします。私もそうでした。
あなたの会社にも「社員就業規則」があると思いますが、ちゃんと読んだことありますか?
持っているけどまじめに読んだことない・・・という人もいるのではないでしょうか。
実は、社員就業規則をよく読んでみれば、副業が許可されているケースもあるのです。
株式投資やメリカリを使った不用品販売はみなさんやってますよね。
これは副収入と呼ばれるものです。
では、もうひとつ質問させてください。
「あなたの会社は副収入も禁止ですか?メルカリ禁止ですか?」
答えにつまりましたか?
そんなあなたに、副業や副収入について、少しお話をさせていただきたいと思います。
もちろん、副業は法律では禁止されていません。
でもサラリーマンとしては、法的に問題無いから副業オッケー!というわけにはいきません。
社員就業規則というものがあるからです。
たとえ法的に問題なくても、社員就業規則に引っかかるケースもあるのです。
法律で許されているからといって、社員就業規則を相手に戦うのはやめておくべきです。
「働き方改革」という言葉はよく耳にすると思います。
2017年から政府が推進している、労働環境改善の取り組みです。
ワークライフバランスの実現、雇用形態に関わらない公正な待遇確保が柱となっています。
その働き方改革実行計画の中に、副業・兼業の普及促進という政策が含まれています。
厚生労働省HP 政策について 「副業・兼業」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000192188.html
2018年は「副業元年」とも言われています。
政府は、副業促進による経済活性化を目指しています。
そして、副業を禁止、あるいは許可制にしている企業に、副業を解禁しましょう!と本気で訴えかけているのです。
まず副業の大前提があります。
ということです。
最近、副業解禁する大企業も現れつつありますが、まだまだ副業禁止の会社はたくさんあります。
リクルートによる2018年企業調査の結果では、71%もの企業が副業を禁止しています。
引用元:(株)リクルートキャリア 「兼業・副業に対する企業の意識調査(2018)」
企業が副業にあまり積極的ではない主な理由は以下の3点です。
1. 長時間労働の助長
大切な社員が副業で働きすぎて体を壊してしまっては、当然会社としては困ります
しかも、体を壊したり事故が発生した場合、労災認定するにも、責任の所在を明確にするがとても難しくなります。
副業が忙しすぎるので会社を辞めます、というのも企業にとってはダメージです。
2. 労務管理の難しさ
これは、本業と副業の労働時間をひとまとめに合算して労務管理しなさい、ってことです。
つまり、本業が終わった後に副業をしている場合、企業は副業先の残業代を払う必要があるのです。
休憩時間や出張の移動時間、休日勤務などの労務管理を合算して管理するのは、これまた困難です。
ちなみに企業の管理職の中には、労働基準法上の管理監督者にあたる人もいますが、その人は労務管理対象外です。
3. 機密情報の漏洩
これは当然ですよね。
こういった企業側の思いもあり、政府のガイドラインだけでは企業の対応が難しく、法整備や仕組みの構築が必要なんです。
まさに「笛吹けど踊らず」です。
でも副業禁止!と言ってる企業も、なんでもダメと言ってる訳ではありません。
少なくとも、株や不用品販売による副収入は口出ししないと思います。
株式投資で儲けるの禁止!なんてあり得ないですよね。(もちろんインサイダー取引はダメですが)
そこで、副業禁止の企業については、各社の社員就業規則をしっかりと理解する必要があるのです。
あなたは副業と副収入を同じに考えていませんか?
そうであれば、あなたが「うちは副業禁止」と考えているのは、ただの思い込みかもしれません。
会社に内緒で給料以外の収入を得る、という罪悪感が「副業禁止」という幻想を生み出しているのかもしれませんよ。
私が勤務するのは大企業ですが、社員就業規則を見ても、コンプライアンスガイドを見ても、本業に悪影響を与えることは禁止しています。
が、副業そのものを明確に禁止するルールはありません。
もちろん副収入を禁止するルールもありません。
うちの会社の社員就業規則で副業について記載されていることは、
他企業に雇用されてはいけない
ただそれだけです。
つまり、個人でネット副業することについては制限がない、と理解できます。
うちはゆるい方ですが、社員就業規則で明確に副業を禁止している企業もあります。
また、禁止はしていないけど様々な制限をかけている企業もあります。
そんな企業に対して日本政府は、
副業を解禁しなさい
制限を緩和しなさい
とはたらきかけています。
副業に興味のある方は、一度社員就業規則をしっかりと確認することをオススメします。
不明確な点があれば、あなたの会社の人事部に問い合わせみてください。
あなたの会社の社員就業規則に副業についての明確な記載がない場合も、もちろん問い合わせるべきです。
政府も「最終的には会社とちゃんと相談してね」と言っています。
最近はコンプライアンスが厳しく問われるようになってきました。
多くの企業では、「疑わしきは罰せよ」で厳しくコンプライアンスリスクを管理しています。
会社の方針が不明確な状況で副業に手を出してしまうと、それを会社が「白」と判断するか、「黒」と判断するかわからないので、危険かもしれません。
とはいえ、副業禁止(とあなたが思い込んでいる)の企業でも、家業を手伝うケースや、講演、執筆活動など、許可を得れば柔軟に対応してくれる場合は多々あります。
勝手に判断せずに、正直に人事部に問い合わせた方が安全です。
そもそも企業が心配していること、副業に制限をかけている理由は、社員就業規定、コンプライアンス、モラル、道徳など。
これってサラリーマンとして、社会人として、当たり前に守るべきことです。
本業の競合になるのはダメ、本業の信用失墜させるのもダメ、本業に支障を出すのもダメ。
これも当然のことです。
これが守れない人は、副業とか関係なく社会人失格でしょう。
もうひとつ。職場の空気もリスクです。
あなたが副業で稼いでいる、ということを、快く思わない人が会社にいたら、人間関係がギクシャクしたり、悪い噂話が流れたり、イヤな思いをさせられるかもしれません。
人間関係が悪くなるのは避けたいところです。
もっとひどい場合だと、あなたの副業自体は問題なくても、それによって会社の人たちになんらかの影響があった場合、例えば優秀な社員があなたに影響を受けて副業初めて、それがきっかけで転職した場合、あなたの副業が本業に影響を与えた、と難癖つけられる可能性もゼロではありません。
そうなると、社員就業規則に抵触するリスクもあります。
抵触しなかったとしても、上の人たちの心象は悪くなります。
社員就業規則はしょせんローカルルール。
企業側でどのようにでも解釈し、後出しジャンケンであなたをハメることができるのです。
だからこそ、社員就業規則はちゃんと確認し、不明なとことは人事部に問い合わせた方がいいのです。
私は、サラリーマンは副業すべきだと考えています。
この記事であなたに一番伝えたかったことは、
ということです。
サラリーマンの副業ってリスクはありますが、夢もある話なんです。
副業解禁に世の中は流れていますので、副業リスクは今後確実に小さくなっていきます。
まだ副業は法的に白でも、企業内では正直グレーな感じです。
グレーな今だからこそ、先行者利益がまだまだ転がっているかもしれません。
10年後はきっとサラリーマンの副業なんて当たり前にことになっているでしょう。
始めるなら早い方がいい!
今も世の中には、「副業で数億円稼いだ」「副業収入が本業収入を超えた」というサラリーマンが大勢いますが、そんな人たちでも副業を始めたのは何十年も前のことではありません。
この先数年で、あなたがそうなる可能性も十分にあるのです。
政府主導の副業解禁とはいえ、実行するのは企業です。
企業主導の副業解禁は、結局は企業の利益第一で枠組みが作られるかもしれません。
あなたは、枠にはめられる側ではなく、枠を作る側になるべきなのです。