ビジネスパーソンの能力のひとつである「熟練度」について少しお話してみたいと思います。
熟練度は経験によって上がっていくものですが、人にはそれぞれ歩んできたキャリアがあり、優秀なプログラマーが優秀な営業マンになれるか、と言えば簡単ではありません。
多くの人は、仕事がガラっと変わればすぐには成果が出せないものです。
でも、経験を積んで熟練度をあげていけば、新しい仕事の知識や、全然違う仕事での経験の活かし方が身についてきて、成果を出せるようになってきます。
ゲームをされる方ならよくご存知のことだと思いますが、RPGにおいては、コツコツと敵を倒すことによって熟練度(レベル)が上がっていきますが、戦士が魔法使いに転職したりすると、会得した能力は引き継ぎますが、レベルは1からやり直しですよね。それと同じことです。
部下の熟練度を引き上げるためのアプローチは、部下の熟練度によって3つに分類できます。
大変だけど、最初は手取り足取りやり方を教えてあげないといけません。
それができるようになれば、細かいところはある程度任せて、後はマメに声をかけて励ましたりアドバイスをしたりします。
完全に独り立ちできたら、目標だけ与えて完全に任せる。ただし、丸投げにならないように、仕事ぶりは黙って見守るのです。
上司が細かい指示をするのは「マイクロマネジメント(部下への過干渉)」と言われてよくないことだと思われがちですが、それも部下の熟練度によりけりです。
相手の状況に応じて使い分け、効率的に成果を出すことが大切です。
「マイクロマネジメント」のやっかいなところは、当の上司が良かれと思ってやっていることにあります。
また、部下の熟練度が任せられるレベルにあったとしても、自分の興味のある仕事にはつい首を突っ込みたくなる誘惑に負けることもあります。
責任が重たい仕事、失敗が許されない仕事なんかも、いくら優秀な部下でも任せるのは心配になってしまいます。
「最後は俺がチェックするにしても、納期までに仕上げられるのか・・・」
ある調査によると、世の中の管理職の90%は「私は権限委譲をちゃんとやっている」と考えているそうです。
部下からみたら、90%なんてあり得ない数字ですよね。
上司はちょっとしたアドバイスのつもりでも、部下は「細かい指示、うざい」と受け取るケースもあるのでしょう。
そんなマイクロマネジメント型の上司に対しては、『山本五十六の名言の”続き”』を知ってもらうことをオススメします。
解説記事がありますのでよろしければ参考にしてみてください。
今回の記事は、第二次世界大戦の頃、日本海軍連合艦隊司令長官であった山本五十六海軍大将の名言についてです。山本五十六の名言と言えば、やっぱりこれですね! 「やってみせ 言って聞かせて させてみせ 誉めてやらねば 人は動かじ」 部下を持つ管理職の、また子供を育てる親としてのあるべき姿として、ご存知の方も多い名言ですね。 でもこの名言には続きがあるのをご存知でしょうか? そしてその続きが、これまたとても大切なのです。
部下の熟練度が上がってくれば上司は楽になります。
楽になる、と言えば言葉は悪いですが、余裕のある時間がたくさん持てるようになり、さらに多くの管理職のやるべき仕事に取り組めるようになるのです。
(RPGに例えるなら、戦闘をオートプレイにしておいても敵に倒される心配がありません)
さらに部下によっては、任せられることによってモチベーションが高まり、自発的に難しい業務に向かっていき、熟練度も加速度的に上がっていくこともあります。
「マイクロマネジメント」そのものを否定するのではなく、部下の状況に応じて使い分けることが大切なことだと思います。