日本海軍連合艦隊司令長官 山本五十六海軍大将の名言と言えば、やっぱりこれですね。

やってみせ 言って聞かせて させてみせ
誉めてやらねば 人は動かじ

部下を持つ管理職の、また子供を育てる親としてのあるべき姿として、ご存知の方も多い名言ですね。

でもこの名言には続きがあるのをご存知でしょうか?

そしてその続きが、これまたとても大切なのです

とても大切な名言の続き

このように続きます。

話し合い 耳を傾け承認し
任せてやらねば 人は育たず

やっている 姿を感謝で見守って
信頼せねば 人は実らず

いかがでしょうか?

部下のお手本になろう!
部下にやらせてみよう!
部下をちゃんと褒めてあげよう!

ここまでは管理職であれば、誰しも考えていることです。(実際にできているかどうかはさておき)

 

管理職であるあなたにお伺いします。

あなたは部下をちゃんと認めてあげてますか?
部下に仕事をちゃんと任せることができてますか?
部下に感謝の気持ちを持っていますか?
心から部下を信頼してますか?

(「部下」を「仕事相手」に置き換えてもいいですよ)

「認めて任せる」ということ

あなたが有能であればあるほど、

(自分でやった方が間違いない、自分でやった方が早い・・・)

ついついそう思ってしまいますね。

責任感の強いあなたにとって大切な仕事。それを容易に他人任せにすることなんてできませんよね。ついつい口を出し、手を出し・・・気づいたらあなたがすべてやっていたと。

残念ながら、それでは管理職とは言えません。ただの「優秀な人」です。

名監督ではなく、ただの優秀な選手です。

名監督であるべき管理職にとって一番大切なこと。

それは人を使って成果を出すことです。そうすることによって、組織の成果を最大化するのです。

そのために必要な能力、それは「忍耐力」です。

あなたより経験が少なく、能力の低い部下に仕事を任せるときには不安を感じるかもしれませんが、それに耐えるのです。

これは簡単なようで、ビジネスの最前線においてはなかなか難しいことなんです。

「お客様に迷惑をかけられない」
「会社の不利益になることはできない」
「仕事の納期は絶対に守らなければならない」

そんな強い責任感を持っている管理職にとって、「認めて任せる」というのは本当に難しいことなんです。

だから山本五十六は言っているのです。

山本五十六

話し合い、耳を傾けなさい

部下に難しい仕事を任せる場合、まずはしっかりと話し合うことです。

一方的に話すのではなく、部下の知っていること、考えていること、感じていることをしっかり聞いてください。

部下が失敗する原因でありがちなのは、上司の指示が悪かった、ということです。

自分の指示は適切か、ちゃんと意図が伝わっているか、をしっかりと確認しなければなりません。

簡単な仕事であればメールで一方的に指示するだけでもよいですが、難しい仕事であれば、まずはしっかり部下と話し合いをしてください。これだけでも、失敗する確率は大幅に減ります。

それでもまだ不安な場合。

私の場合は、部下が失敗したときに何が起きるかを具体的にイメージするようにしています。

失敗したところで、私が上司に軽く説教される程度で、会社やお客様に直接的なダメージを与えることがなさそうなら、思い切って任せてしまいます。(失敗が許されず、部下にも任せられない仕事は、自分で対応します)

自分で納得がいくまで部下と話し合って任せたわけですから、それで失敗しても仕方ない。

後は、ただ黙って耐えるのみです。

この忍耐の先には、小さな失敗があるかもしれません。

でもそれ以上に、部下の経験やモチベーションというかけがえのない財産を得ることができるのです。

あなたが孤軍奮闘して成果を出したとしてもそれだけの話。

でも部下を使って出した成果は、多少の失敗があったとしても部下の成長につながり、その部下がまた新たな成果を生み続けるのです。

それこそが、「認めて任せる」ということの大切さであり、部下の育成にとっては、業務知識を詰め込むことなんかよりもよっぽど重要なことなのです。

 

私のまわりには「私は部下に仕事を任せています」と言いつつ、ただ「丸投げ」しているだけの管理職もたくさんいます。

「認めて任せる」ことと「丸投げする」ことは、どちらも部下に仕事をしてもらうことに変わりはありませんが、明らかに違います。

「丸投げ」は、部下も仕事もコントロールされていません。

部下は無理な仕事を押し付けられて悩むかもしれませんし、仕事もうまくいかないかもしれません。

「丸投げ」上司のチームは、必ずと言っていいほど、やたらと忙しそうにしている割には成果が出ていないものです。

私も簡単な作業なんかは「丸投げ」することもありますが、それは、100%部下が完遂できるという確信がある場合に限られます。

部下の失敗すらコントロールできる。そんな管理職になりたいですね。

「感謝で見守り信頼する」ということ

部下に対する信頼感情は、多かれ少なかれ管理職は持っているものです。

部下を一切信用していない管理職も世の中にはいるかもしれませんが、多くの管理職は、口には出さずとも部下を信頼している、信頼したいと考えています。

信頼できないと安心して仕事を任せることができず、チームとして成果を出すことなどできません。

「部下を信頼すること」は、多くの管理職にとっては当たり前で違和感はないと思います。

難しいのは「感謝」です。

部下への感謝は、心では思っていても、忙しい日常の中ではなかなか表現しづらいこともあります。

私はいつも自分に言い聞かせていることがあります。

 管理職は部下よりも人間として偉いわけではなく、チームの中で「マネジメント」という仕事を担当しているだけ
 部下は全員私にはマネできない知恵や技を持っていて、自分にできない事をやってのける人たちだ
 そんなすごい人たちが私のまわりに集まって、チームで成果を出しているってスゴイことなんだ

これの考え方を常に持っていれば、普段から部下には感謝の心しか持てなくなります。

心から感謝するようになるので、無意識のうちにこんな言葉が出てしまいます。

「うわ、これすごくいいね!」
「ありがとう!助かるなぁ!」
「やるじゃん!ナイス!」

感謝と尊敬の念を持つようになれば、上司にとって忍耐が必要な「見守る」ということも自然とできるようになります。

「見守る」というより、楽しく「観戦する」と言った方がよいかもしれません。

青葉

部下に感謝の気持ちを持つのであれば、
まずは「自分が特別な存在だと考えないようにすること」です

最後に

いかがでしたでしょうか?

山本五十六の名言には続きがあって、その続きがかなり大切なことを言ってるのがわかりましたね。

このすばらしい名言は、言っていることはシンプルで単純です。頭で理解するのは簡単です。

でも、心に落とし込んで、行動につなげてこそ、この名言は真価を発揮するのです。

やってみせ 言って聞かせて させてみせ
褒めてやらねば 人は動かじ

話し合い 耳を傾け承認し
任せてやらねば 人は育たず

やっている 姿を感謝で見守って
信頼せねば 人は実らず

山本五十六

他にもたくさんいいこと言ってるけどね

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