「仕事を自分事(ごと)化しましょう!」
うちの会社でも最近よく耳にするようなりました。
あなたも上司から言われたりしませんか?
「自分事化」とは「当事者意識を持つ」という意味です。
「当事者意識」という言葉はちょっと堅苦しくて説教臭い感じもしますね。
「自分事化」という言葉の方が「自分事化」できそうな気がします笑
仕事を自分事化する、当事者意識を持つとは、こんなイメージです。
上げればキリがないし、説教臭くなるのでこの辺にしておきます。
「自分事化」の意味は十分ご理解いただけたと思います。
この「仕事を自分事化しましょう!」という上司からの言葉。
あなたはどのように感じますか?
ひねくれ者の私は、
「何を今さら当たり前のことを・・・言い方を変えただけじゃないか」
と感じてしまいます。
私の会社でも「自分事化」って言葉が好きな役員が多いので、よく使うんですよ。
管理職に対しても、
まずは管理職が仕事を自分事化するように
そして部下にも自分事化させなさい
みたいなことをよく言ってます。
そして、今後は管理職が、右から左に部下に同じことを言うんです。
みんな!仕事を自分事化するんだよ!
この言葉を聞くと、私はいつも違和感を感じています。
「仕事を自分事化しなさい」
って言われて、
「了解です!自分事化します!」
なんて答えはないと思うんですよね。
仕事を自分事化しなさいって言われても・・・
そりゃできるもんならそうしたいけど・・・
そう思いませんか?
たしかに「自分事化=当事者意識を持って仕事をする」ことって、大切なことですが、言われて簡単にできるものでもありません。
部下に「仕事を自分事化しなさい」って言う管理職って、何も考えてないんじゃないかと。
言ってる本人が気持ちいいだけなんじゃないかと。
管理職のやるべきことは、そんなバカげた自己満足だけの指示ではなく、部下が仕事を自分事化できるように考え工夫することです。
その結果として、部下が当事者意識を持って仕事ができるようになればよいのです。
自分自身、そして部下が仕事を自分事化できれば、こんなすばらしいことはありません。
ここでは、私自身が「仕事の自分事化」をどうやって実践しているか、それを部下にどうやって伝えているか、を具体的ににお話します。
完全自己流なので、正しいかどうかはわかりませんが。
あなたにちょっと聞いてみます。
「”いい仕事”ってどんな仕事だと思いますか?」
かなり漠然とした質問ですね。
給料の高い仕事、やりがいのある仕事、楽な仕事、人の役に立つ仕事・・・などなど、その定義は様々だと思います。
私はこのように定義しています。
いい仕事
= 家族に胸を張って話せる仕事
部下にも抜き打ちでたまに問いかけます。
この資料を確認してもらえませんか?
うん、いいよ!
ところでこの仕事を家族にどう説明する?
頭おかしい上司みたいですよね笑
でも私の職場ではこれが当たり前の光景なのです。
そうですねぇ・・・
この情報はチームの役に立つ情報ですね
これでみんなが同じ目標に向かって仕事できます
だからみんなに喜ばれる!
これで家族に説明できますね笑
まあほとんどの場合はこの程度の答えしか得られませんが、これでいいのです。
会社での仕事の大半は、目的もよくわからず右から左に流すだけの仕事です。
そんな仕事ひとつひとつに向き合い、その目的を自分で考えることを私は指導しているのです。
いい仕事
= 家族に胸を張って話せる仕事
そして
家族に胸を張って話せる仕事
= お客様や社会に貢献している仕事
なのです。
こんなケースもあります。
うーん・・・
どう考えてもこれって家族に説明がしづらいですね・・・
重要だと思われている仕事でも、家族に説明ができない仕事は「いい仕事」ではない、と私は考えています。
そういう仕事は見直す必要があります。
その仕事は、お客様や社会に貢献できていない可能性があるからです。
目の前の些細な仕事でも、そこに「家族」、そして「お客様」や「社会」が見えてくると、「これはやるしかない!」という気持ちが芽生えます。
この私の問いかけによって、部下は自らの仕事を自分事化できます。
放っておいても勝手に自分事化するようになります。
家族に説明できるのか?
という問いかけは、
お客様や社会に貢献できているのか?
という問いかけを意味しているからです。
社会に貢献している仕事であれば、子供たちにも胸を張って話してあげることができますよね。
目先のお金を求めるようないやらしい仕事でも、何の意味のなさそうな単純作業でも、お客様や社会に貢献できているのであればそれは「いい仕事」なのです。
家族にちゃんと説明することができるのです。
自分の目の前の仕事が、どのようにお客様や社会とつながっているのか?
そこを自分で考え、納得することができれば、その仕事に取り組む熱意は大きく変わります。
これが、私流の「仕事を自分事化」する方法です。
私はもっとクレイジーな質問をすることがあります。
君はゴルフ好きだよね?
え?はい、大好きですよ!
じゃあこの仕事をすればするほど、ゴルフが上達する方法って無いかな?
はぁ!?
さすがにゴルフと仕事の接点はあまりないかもしれませんね。
例えば私の場合。
趣味のひとつは「ブログ記事の執筆」です。
仕事をすればするほどブログ記事のネタが生まれ、働き方のコツを記事に書けば書くだけ、自分の仕事に対する理解が深まり、実際の仕事で役に立っています。
このように私は自分の仕事をほぼ「自分事化」できています。
平日であろうと休日であろうと、仕事も趣味も関係なく考え、行動しています。
ワークとライフの間にある壁が薄いのです。
このように、自分の趣味や関心があることと、仕事を紐付けることも自分事化には有効です。
考えてみれば当たり前のことですね。
自分事化するというのは、嫌いな食べ物をおいしく食べる工夫であるとも言えます。
管理職の役割は、野菜が嫌いな子供に、なんとか野菜を食べさせようと苦心する母親と同じなのです。
無責任に「仕事を自分事化しろ!」と押し付けて、食べられない仕事を無理やり口に突っ込むようなやり方はダメです。
子供が泣いちゃいます。飲み込めたとしても、後でお腹を壊します。
おいしく食べられる調理法や調味料を自分で発見できるように仕向ける。
それこそが管理職の役割ではないでしょうか?