先にお断りしておきますが、この記事は、誤字脱字の防止法については書かれていません。
私のサラリーマン経験上、誤字脱字を防止したいなら、
これしかありません。
それでもヒューマンエラーは確実に防ぐことはできません。音読を実行して、自分で納得できるまで確認するだけです。
「誤字脱字を防ぐ方法」はネット上にも様々な情報がありますが、かんたんで一番効果があるのは、もうこれ。
これが30年近くサラリーマンをやってきた私の結論です。
この記事では、少し違った切り口で、
部下や後輩の誤字脱字に対して、上司はどのように対応すべきか
についてお話します。
ん?ちょっとこの報告書・・・ここの漢字間違えてるよ
あ!すみません!チェックもれでした!すぐ直します!
特に違和感のない、よくある光景ですね。
ではこれはどうでしょうか?
ん?ちょっとこの報告書・・・ここの”( ) “は全角なのに、こっちの”( ) “は半角になってるよ
え?・・・はぁ、ですね・・・(だからなんだよ・・・)
なんと細かい上司でしょうか!うっとうしいですよね。
“( ) “なんて全角でも半角でも見た目はほとんど同じ。しかも記号みたいなもんですから、報告書の正確性や内容に何ら影響はありません。
そこ、どーでもよくね?
そんな細かいこと気にしてて、デカい仕事なんてできんのかよ・・・
そんな心の声が聞こえてきそうです。
この心の声は、新入社員当時の私の声です。
そして今では、上司となった私が同じことを部下に指摘しています。
あなたがネット通販で電気製品を買ったとしましょう。
聞いたことのないメーカーだけど、日本製のようです。価格も大手メーカーのものより安い。
さあ、届きました。手にしてみるとなかなかの高級感。ちゃんと動くし、問題はありません。
説明書に目を通します・・・
そこに誤字脱字があった場合、あなたはその製品を信用できますか?
もしその製品が、子供部屋に置く電気ストーブだった場合はどうでしょう?
そして、説明書の”( ) “が、全角だったり半角だったりバラバラで書かれていることに気づいたら?
その電気ストーブを子供の部屋に安心して置けますか?
「え?これって中国製?急に燃えたりしないよな・・・」
そんな不安が少しばかり頭をよぎりませんか?
これは説明書に限った話ではなく、仕事で作成する文書やお客様に送るメールでも同じことなんです。
”( )”が全角だろうと半角だろうと、多少の誤字脱字があろうと、相手に正しく情報は伝わります。仕事そのものに影響はありません。
でも、ビジネスパーソンとしてのブランドには傷がつくのです。
それが社外へ送る文書であれば会社のブランド。それが多かれ少なかれ傷つくのです。
とらえかたは人それぞれでしょう。
「まあ内容はいいんだけど・・・こいつ、この仕事やる気ないのか・・・」
「もともといい加減な性格なのかな?大事な仕事は任せられないな・・・」
「上司のサイン入ってるけど・・・ちゃんとチェックしてないのかな?この会社大丈夫?」
「客をなんだと思ってるんだ!こんな間違いだらけの資料送ってきて・・・」
うっとうしく思われようと、嫌われようと、将来のある大切な部下が、そして会社のブランドが傷つくことは全力で阻止する。
それが管理職のあるべき姿なのです。
私は部下の作った資料や文書は、重箱の隅を徹底的につつきます。
書いてある内容は当然ですが、誤字脱字や見栄えについても目を皿にしてチェックします。
そしてすべて指摘して、やり直しを命じます。
部下にやり直しする時間が無い場合は、私自身ですべて修正します。
ざっと思いつくだけでもこんな感じです。
かなり細かくいろいろなことをチェックしていますが、これ、慣れれば簡単にできるようになりす。
ざっと目を通しただけでも、超能力のように間違いに気づけるようになります。
上記ピンクボックス内に、ひとつだけ間違いを入れてみました
あなたは気づきましたか?
私だって人間ですから、もちろん部下には好かれたいです。
好き好んで重箱の隅をつついている訳ではありません。
できればこんな細かいことは言いたくない。
でも、それが部下の将来にとって必ずプラスになることを確信しています。
全角とか半角とか、そんな些細なことにこだわる仕事のやり方。
それが当たり前に身に付いたとき、きっと部下はすばらしいブランドを築き上げていることでしょう。
そして多くの人から信頼され、さらに大きなチャンスをつかんでいくと信じています。
私の20数年に及ぶサラリーマン人生において、今でも思い出す上司は、やさしく人柄のよい上司ではありません。
重箱の隅をつつく上司、厳しく指導してくれた上司ばかりです。
若い頃、あんなにうっとうしく感じた鬼上司。
今、自分が同じことをしているのに気づいたとき、彼らの指導があったからこそ、私は充実した会社人生を歩むことができているのだ、と思い知らされています。
そして、好かれる上司よりも、いつか思い出してもらえる上司になりたい、と思うのです。
なんて偉そうに言いつつ、私の記事に誤字脱字があったらすみません