【実例紹介】うまくできない報連相(ホウレンソウ)|私の少々強引なやり方

仕事をする上で大切な「報連相(ホウレンソウ)」とは、報告、連絡、相談のことで、要は、「職場内でコミュニケーションをちゃんとしましょうね!」というだけのことです。

言葉の意味としては、これだけ知っていれば十分です。

言葉の定義や重要性の説明は、これ以上必要ありませんね。

この記事では、私が実際にこの「報連相」をどのように実践しているかを紹介させていただきます。

掛け声だけの「報連相」

「報連相をしっかりやりましょう!」

そんな言葉が会社の中やネット上にはあふれています。

間違ってはいません。

でも実際に報連相の実践的な運用、つまり、報連相がしっかりできているか、と言えば、微妙ではないでしょうか?

特に、「管理職から部下への掛け声をしよう」なんてスローガンは、ただのキレイごとだと感じています。

「何か困ったことがあったら、いつでも報連相してね(^^)」

こんな事を部下に言う管理職は、物分りのよいフリをしているだけの無責任な人間かもしれないので注意が必要です。

「報連相が大事」ということを頭で理解して、その言葉を発しているだけで、「私は管理職の責務を果たしている」と自己満足する管理職は、意外と多いのです。

「いつでも報連相してくれといっても、アンタいつも席にいないじゃないか!」

ってことも、よくあるのではないでしょうか?

機能しない『報連相タイム』

「報連相」の実践は、掛け声だけではなかなか難しいのが現実です。

上司も部下も忙しくて、なかなか顔を合わせる時間もとれなかったりします。

そこで、私の部門では、管理職に対して『報連相タイム』という時間を、毎日強制的に設定するよう指示が出ています。

業務指示なので、全管理職は、自分の予定表に毎日30分とか1時間程度の『報連相タイム』を設定しています。

まあこの程度のことは、割とどこの会社もやってると思います。

問題はここからなんです。

『報連相タイム』を設定しても、うまく機能しないのです。

 

当然私も報連相タイムを予定表に設定しています。

毎日昼イチの13:00~14:00を報連相タイムにしています。

報連相タイムには、管理職は会議出席禁止で、自席に座っていることがルールとなっています。(在宅勤務でも同様です)

たとえ報連相タイムを設定しても、管理職が席にいないと部下は報連相ができません。

もしこの時間に他部門からの招集などで、どうしても断れない緊急会議が入った場合は、報連相タイムの時間をずらして、必ず一日一度は報連相タイムを設けるようにしています。

これで、「上司がつかまらない」という事態は避けられます。

ところが・・・部下の中には、報連相タイムを無視して、取引企業との面談や、緊急性のない他部門との会議をバンバン私の予定表に放り込んでくる輩もいるのです。

報連相タイムだから時間空いてるってことですよね

そもそも報連相タイムは、”朝から晩まで忙しくてなかなか捕まえられない上司を、1日1回は必ず捕まえられるようにしよう”と設定した時間です。

緊急性が高く、且つ、時間調整が不可能な場合は仕方ありませんが、安易に会議の予定を入れられては、本来の目的が果たせません。

この状態が続けば、せっかくの『報連相タイム』も意味が無くなってしまうのです。

『報連相タイム』を、ただ予定表に設定しただけでは、報連相をちゃんと実践することができなかったのです。

『報連相タイム』を機能させるには?

『報連相タイム』を活用して、リアルに成果を出したいのなら、まずは管理職が意識改革して、正しい行動をしなければいけません。

まず一番大切なこと。

『報連相タイム』には、管理職は絶対に自席から動いてはいけません。

トイレも我慢しろ、とまでは言いませんが、とにかくじっと席に座っているのです。少し席を離れるにしても、職場から見えない遠い場所まで行ってはダメです。

『報連相タイム』に管理職が職場にいないということは、管理職自ら『報連相タイム』を意味のないものにしてしまっているのです。

たとえ部下から話しかけられなくても、「私の上司は報連相タイムにはいつも席にいる」というイメージを、職場に植え付けてください。

 

また私は、部下が『報連相タイム』に予定を入れる際に、2つのルールを設けています。

① 会議や面談を入れないこと
② 予定を入れる際は、事前に私の許可を得ること

会議や面談は、空き時間であれば自由に入れさせてますが、『報連相タイム』だけは事前許可制にしています。

それでも『報連相タイム』に会議や面談の予定を放り込んでくる部下がいます。

みんな必ず同じ言い訳をします。

すみません、この時間しか空きがなかったんです

ここしか相手側の都合が合わなかったんです

このようなケースでは、部下自身の仕事のやり方に問題があることがほとんどです。

資料作成の納期が迫っていることをわかっているのに、ギリギリになってようやく作って、納期直前にあわてて私に承認レビューの場をセットするケース

他部門や取引企業から会議の申し入れがあった際、先方の都合を聞くだけだけで何の調整努力もせずにそのまま受けてくるケース

そんなのは、計画的に仕事を進める能力、調整や交渉の能力とモチベーションの欠落です。

そもそもそんな切羽詰まった状況にならないように、自分がどう行動するか、を日頃から考えるべきなのです。

そこをしっかり指導するために、私は『報連相タイム』の利用を事前許可制にしたのです。

なんてめんどくさい上司だ、と思われるかもしれません。

誰だって部下に優しく接して、いい上司だと思われたいのですが、時には厳しいことをバシっと言うのも、管理職にとって大切なことなのです。

 

さあ、これで『報連相タイム』に好き勝手に予定を放り込んでくる部下はいなくなりました。

それでもまだ問題があります。

必要以上に部下を委縮させてしまい、みんなが『報連相タイム』を活用しなくなるのです。

この上司は気難しいな、報連相なんかしたら余計めんどくさいこと言われそう・・・

そう考える部下も出てくるでしょう。

かと言って、

「せっかく『報連相タイム』を設定してるんだからちゃんと報連相しろよ!」

と強制するのは軽いパワハラとも言えます。

では管理職はどうするのか?

自ら部下に話しかけるのです。

『報連相タイム』というのは、部下が上司に報連相するのではありません。

上司が部下に積極的にコミュニケーションを図る時間なのです。

部下のための時間ではなく、上司のための時間だと考えてください。

もちろん、部下全員が遠慮なく自発的に報連相してくれる職場がベストです。普段からよい人間関係ができているということです。

でも中には、報連相が苦手な部下もいるでしょう。なるべく上司とは口を聞きたくないと言う人もいます。

そんな人は無理して自分から報連相しなくてもいいと、私は思っています。

上司の方から話しかければいいだけです。

上司と直接会話したくないのであれば、メールやLINEでの報連相でも問題ありません。

報連相の目的はコミュニケーションをすることであって、会話とかメールは手段に過ぎませんので、私はそこにはこだわりません。

 

報連相は「部下が上司にするもの」というイメージがあるかもしれませんが、それも手段に過ぎません。「上司から部下に」してもいいのです。

対面会話である必要もありません。それも手段です。

報連相の目的は、コミュニケーションをとることです。

それを確実にするために、私は『報連相タイム』を活用しています。

この『報連相タイム』は、部下のための時間というより、むしろ、忙しい上司のための時間なのです。

そして、報連相は単なるコミュニケーションの話ではなく、人材育成そのものなのです。

青葉

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青葉