あなたは上司からとある資料の作成を依頼されました。

あなた「よし出来た!これで一回見せてみよう!」

上司にチェックしてもらいます。

上司「ん~、ここの数字は違うんじゃない?この表現は変えてもらえる?」

ダメ出しされます。まあ、想定内。

あなた「ああ、なるほど・・・了解です!すぐに直しますね」

・・・・・

あなた「言われたところ、修正しました。これでいかがでしょう?」

上司「・・・ん~~、ここちょっと修正してもらえる?あ、この表現もよくないな」

あなた「はい・・わかりました(だったら最初からそう言えよ)」

・・・・・

あなた「再度見直ししました。これならどうでしょう?」

上司「・・・・・ん~~、この表現は最初のに戻そうか、それと・・・」

あなた「おいおい・・・(怒)」

 

こんな経験ありませんか?

指示通りに資料を作っているはずなのに、上司の言うことは右へ左へブレまくって、いつまでたっても仕事が終わらない・・・

優柔不断で無能な上司だ、なんて思ってしまうかもしれません。

もちろん、私から見ても有能な上司だとは思えませんが、たとえそうでも部下としては逃げられないですよね。

こんな上司でも相手にして仕事をやるしかない。

でも、こんな上司を受け入れられる考え方を持つことができれば、部下としても少しは気が楽になるかもしれません。

そのヒントについて少しお話します。

上司はあなたに「何を」依頼したのか?

今回の事例では、あなたは上司から「資料の作成」を依頼されました。

そのとき上司は、あなたにどこまで細かく指示を出したのでしょうか?

細かいケースであれば、手書きで数字まで入ったものを作って、「これをエクセルで清書して」ということもあるでしょう。

漠然としたケースであれば、「明日のワイガヤ会議で使う叩き台資料作って」みたいな適当な指示もありますね。

こういった指示の加減は上司のキャラにもよるのですが、理想としてはこの両極端なケースの中間くらいの指示がほどよいのではないかと思います。

結局のところ、上司が部下に何かしらの指示をするときには、

漠然としたイメージだけで指示をするケースが多い

ということを理解しておく必要があります。

部下が有能で、上司が信頼しているときは、特に指示が雑になります。(私もそう笑)

上司の指示が雑だった場合は、自分が認められ信頼されている、とポジティブに考えるのもありです。

上司の立場で言わせていただきますと、具体的なアウトプットってものは、部下の作った資料を見ながら考えることが多いです。

時間があれば、自分で手を動かしながら頭の整理をしていくこともできますが、忙しくてゆっくり考える時間がないときは、とりあえず部下に叩き台を作ってもらって、そこから頭の整理をしながら資料をブラッシュアップしていくこともよくあります。

これが部下にとってみれば「優柔不断、言うことがコロコロ変わる」となるのでしょう。

当の上司にしてみれば、何度も部下に修正を命じながらも「こいつ使えないな」とはさほど思っていなかったりします。むしろ、いろんなヒントを与えてくれてありがとう、くらいに思っていることも。

つまり、あなたが命じられた「資料の作成」は、文字や数字が入力された書類を作ることではなく、上司と一緒に仕事の進め方考えていく行動そのものなのです。

修正や見直しの指示をそのまま受けて、文字入力作業をしてほしいのではなく、一緒に仕事の進め方を考えたい、というのが上司の正直な思いです。(だと思います)

だから言うこともコロコロ変わりますし、明確な文字入力指示も出せなかったりします。

「優柔不断だ、無能だ」と上司を断定するよりも、「あなたの思いを私が文字に図表にしてみましょう」くらいの気持ちで、お付き合いいただければありがたいですね。

最後の最後は押し込む!

とは言え、いつまでも資料作成に時間はかけられません。

上司の思いがなかなかまとまらない、資料に反映できない、完成しない、となったら、上司も部下も精神的にはつらいものがあります。お互いギスギスしてきたり・・・

私が部下の立場であれば、思い切って上司に「これでいきましょう!大丈夫ですよ!」と押し込みます。

資料そのものをどうこうするのをやめて、その資料を使ってどのように仕事を進めていくのか、どのようなことが起こりそうか、そういった点について上司に具申します。

資料は所詮資料です。仕事の目的が達成できるのであれば、80点でも問題ないのです。

80点の資料を使って、いろんな人と話をすれば、更にいろいろなアドバイスや気付きを得ることもできます。100点にどんどん近づいていくでしょう。

そんな上司と部下の関係、ステキだと思いませんか?