
人事異動。
企業に勤めるビジネスパーソンには避けては通れない話ですね。
そして、学生時代のクラス替えみたいなドキドキ感があります。
大人になっても、そんなことでドキドキするものです。
今日の記事は、長い間異動がなく、塩漬けになっていた私のお話です。
長い間同じ職場で塩漬けになっている方、モチベーション下がってませんか?
そんな方にこの記事を読んでもらって、少し元気になってもらえればいいなと思います。
■8年ぶりの異動!
もうすぐ4月ということで、わが社も人事異動のシーズンです。
少し前に役員クラスの異動が発表となり、次は中間管理職の発表を待つばかりとなっていました。
私は役員から
「申し訳ないが、君にはしばらく今の職場で頑張ってもらうから」
と常々言われていたので、自分には関係ないとあまり気にしていませんでした。
数日前に上司の部長と出張に行ったときのことです。
空港のラウンジでフライトを待っていたときに、いきなり言われました。
「すごく悩んだけど、動いてもらうことになったよ」
とても驚きました。
「ああ、ついにその日が来たのか・・・」
私にとっては8年ぶりの異動。
8年間で今の上司はもう4人目です。
15名前後の部下はもう全員入れ替わって、私が職場の最長老です。(年齢的には真ん中くらい)
■私が8年も異動できなかった理由
8年間異動なし、というのは、うちの部門では極めて異例です。
そもそも私の仕事は調達なので、取引先との関係をドライに維持するためにも、数年で異動するのが通例。
にもかかわらず、役員や上司の意向で、私はずっと同じ職場で働くことになっていたのです。
異動できない人 = 仕事できない人
ってイメージありませんか?
私の場合は、評価が悪かったのが理由ではないのです。
私がマネージャーを務めている課は、○○調達部に所属しています。
○○調達部には、ふたつの課があります。
つまり、私ともうひとり、となりの課にマネージャーがいます。
私ともうひとりのマネージャーの上司が、○○調達部部長、ということになります。
私が8年間、異動できなかった理由は、このとなりの課にあるのです。
となりの課は呪われています。
最低限の成果は出していましたが、常に職場は混乱し、人間関係がギスギスしていたのです。
8年前、私が今の部門に来た頃のマネージャーはパワハラ管理職。
次のマネージャーは仕事もでき、人間性もよかったのですが、取引先との過度な癒着が問題となり異動。
そのまた次のマネージャーもすばらしい人なのですが、病気がちで入退院の繰り返し。
職場内でも、メンタルヘルス、転職者が相次ぎ、組織は混乱し常にガタガタ。
社員アンケートの結果もひどい有様でした。
そんな状況にも関わらず、なぜか部長だけは2年ごとにしっかり変わります。
一方、私の課。
ずっと業績好調、人間関係良好です。
2年ごとに部長が変わるたび、みんな私に同じことを言います。
「俺はとなりの課をテコ入れしないといけないから、君の課はもうすべて任せた!」
これです。これが私が8年間も異動できなかった理由なんです。
されど8年。
さすがにこれはまずいだろうと、私の今の上司である部長が英断を下しました。
私の異動先は、
そのとなりの職場
でした笑
■異動できない私の気持ち
そんな状況で、塩漬けになっていた私ですが、以外に気持ちは前向きでした。
「君に任せた!」
と上司に言われるのは、もちろん悪い気はしません。
それだけ信頼されてるわけですから、そこは素直にうれしく思っています。
「長い間同じ仕事してて飽きませんか?」
これもよく言われます。
私は飽きないんですよ。
仕事は同じでも、まわりの人は変わってますし、会社の方針も、経済環境も常に動いています。
人材育成や業務改善に終わりはありません。
8年経ってもチャレンジの日々です。
飽きようがありません。
飲み会の席なんかでは役員に、
「そろそろ異動したくないか?」
と気遣われることもありました。
私はいつも
「どっちでもいいです。だから都合のいいように扱ってください。」
と正直に答えていました。
同じ仕事をずっと続けても、新しい職場に異動しても、きっと私のモチベーションは変わらないからです。
■塩漬けも悪くない
調達の仕事では、長い間同じ業界や取引先を担当することは、良しとされていません。
癒着するリスクがある、と言われています。
調達は買うのが仕事で、売る側からすると大切なお客様ですから、もちろんそういうリスクも否定はできません。
30年くらい前なら、お中元お歳暮で自宅が埋め尽くされた、なんて話も聞いたことがあります。
でもコンプライアンスが徹底されているいまどきの大企業では、そんなことはあり得ません。
特に調達部門は全社的に監視されているので、逆にクリーンです。
そもそも癒着なんかしたら、仕事がやりづらくてしょうがないと思います。
だから私はむしろ、塩漬けになることのメリットをしっかり享受していました。
塩漬けメリット その1 人脈が広く強くなる
8年も同じ業界を担当していると、担当営業も何度も変わります。
そして出世する人も大勢います。
私が担当した当時、営業部長だった人が、今や社長になっているケースもあります。
とある企業の営業役員、営業部長、営業課長、みんな私の顔見知り、なんてよくある話です。
これは強烈な人脈ですよ~
私の発言力がとてつもないパワーを持つことになります。
パワーを持っている調達マネージャーには、さらに人が頼って集まってきます。
そうやって、私は一大帝国を築きあげることができました笑
これは社内に対しても同じです。
8年前は担当者であった人が、今では私と同格のマネージャーになったりしてます。
同格とはいえ、上下関係は火を見るより明らか。
私は他部門に対しても強い発言力を持てるようになったのです。
そんな上司の下だと、部下も働きやすいですよね。
当然、部下は成果を出しやすく、私の部門の業績も好調を維持できるのです。
塩漬けメリット その2 仕事がめっちゃ楽になる
私は毎日ほぼ定時退社しています。
そんなマネージャーは私くらいです。
長年の経験から、仕事のカンとコツを熟知しているので、仕事は早いです。
担当レベルで抱え込んでる仕事も、私の強い人脈を使えばササっと片づけることもできます。
「ああ、これは○○部に相談した方がいいよ。俺が担当マネージャーに声かけとくね。」
これでササっと。
そうやって目の前の仕事がササっと終わるので、私は時間つぶしに、業務計画をいつも考えています。
「数か月後にこんなことしないといけないから、今のうちにこれを準備しておこう」
そして同じようにヒマそうにしている優秀な部下をつかまえて、
「こんな業務計画を考えてるんだけど、具体的な資料にまとめてもらえる?」
そしてまた私はヒマになります。
今度は部下に話しかけまくります。
「今、何やってんの?困ってることとかある?」
毎日こんなことを繰り返しています。
結果的に、私も職場のみんなも早く帰れて、しかも成果がちゃんと出せているのです。
■塩漬けで気をつけること
そんな素敵な塩漬け会社生活ですが、ひとつだけ気を付けていることがあります。
上司が自分より細かいことに詳しいのって、やりにくくないですか?
8年も同じ職場にいると、生き字引のようになってます。
私はなんでもわかってしまうのです。
知ってるとついつい口に出してしまいます。
部下が悩んでいると、すぐに答えを出してあげたくなります。
でも悩んで成長することも重要です。
言いたくても我慢しなければなりません。
人脈の使い方も注意が必要です。
部下がそれに頼ってしまってはいけません。
私は人脈を使う場合は、必要最低限です。
ガッツリ人脈を使う場合は、部下に内緒にして、裏で仕掛けるようにしています。
自分の人脈を使って成果を出せたとしても、その手柄は100%部下のものにしなければなりません。
■とりあえず席替えします
8年かけて築き上げた一大帝国から追放され、不毛の地に降り立つことになりました。
上司の指示は一言。
「なんとかここを再生してくれ」
うーん、再生請負人みたいでカッコいい!
いやいや、これからが大変です・・・
今の職場は私が鍛え上げた精鋭ぞろいで、かつ、チームワークも強固です。
となりの職場はいつも静かで、おしゃべりが少ない印象。
まずはチームワークをつくることが第一歩と感じました。
「まずは席替えでもするか」
そう考えています。
そして、座席のレイアウトは、みんなに勝手に決めてもらおう。
きっと困惑すると思います。
これまで座席のレイアウトはマネージャーが独断で決めていました。
自分たちで考えろ、と言われて、この職場のみんながどう動くか。
そこからまずは観察してみたいと思います。
私の職場の後任マネージャーですが、これがまたちょっと問題児・・・
パワハラやらかしそうなキャラです。
先輩なんで、さすがに私も口出ししづらい相手です。
私が新しい職場を立て直したころ、私の元職場はどうなっているのでしょう。
今度は、私が部長になれない理由、で記事を書くことになりそうです笑
“【体験談】異動ってうれしい?うれしくない?|8年ぶりに異動する塩漬け管理職がお話します!【青葉の働き方】” への1件のフィードバック