プランニングとは

仕事の「プランニング」とは仕事の計画企画を立案すること」と一般的に言われています。

仕事の計画立案は「業務計画」と呼ばれることもあります。

「業務計画」といえばこんな流れですね。

目標を設定する

達成のための行動計画を立てる

計画を実行し進捗する

ここまでは、割と多くの方が理解していると思います。

 

では企画の立案って何でしょう??

 

プライベートであれば、

「今度の夏休みは家族でキャンプに行こう!」

といった感じで、イベントを企画して、その準備をしますよね。

これは企画の立案です。

 

会社ではどうでしょうか?

新しい製品やサービス、新規ビジネスの企画を立案することもあります。

会社によっては「プランナー」と呼ばれる人もいて、そんなクリエイティブな仕事に憧れちゃいますね。

 

では質問です。

「あなたの職場で企画の立案ってやってますか?」

 

経理部や生産部門の人なんかに聞くと、こんな答えが返ってくると思います。

「私の仕事はプランナーじゃないので”業務計画”はありますが”企画”なんてしませんよ」

 

「プランニング」という言葉の定義はどうでもいいのですが、ここでひとつ知っておいてもらいたいことがあります。

 

仕事の「プランニング」とは、仕事の計画を立てたり、新しい製品やサービスを生み出すことを指しているのではありません。

 

仕事の「プランニング」とは、

未来を予測して先手を打つ

ことです。

 

何も考えずに成り行きに任せていたら将来ロクなことにならないぞ、と未来を予測したからこそ、仕事の計画を立てるのです。

新しい製品やサービスを生み出すことも、実は未来を予測して先手を打つためにやっていることです。

新しい製品を数年後に導入しないと競合会社にヤラれてしまうとか、会社を成長させていくために新しいサービスが必要だとか、未来に備えているということです。

つまり、多くの方が「企画」だと思っていることは、実は手段であって目的ではないのです。

 

「来年の業務計画を作りましょう」

といったケースで、去年のコピペで日付だけ変えて計画を作る人がいます。

未来を予測せずに、過去をコピペしただけ。

こういう人が「プランニング」の意味を勘違いしている人で、私のまわりにも大勢います。

 

もう一度言いますが、言葉の定義はどうでもいいです。

定義を覚えたからといって、仕事ができるようにはなりませんから。

 

とにかく

プランニングだとか企画だとか計画といったものは、未来を予測して先手を打つものだ

とだけ覚えておいてください。

プランニングの進め方

プランニングは以下の3ステップで進めます。

ステップ1:自分(自部門)に求められていることを把握する

ステップ2:現状どうなっているかを確認する

ステップ3:1と2のギャップを埋めるために何をするか決める

 

たとえば、あなたが車でどこかに出かけるとしましょう。

まずあなたは目的地までどのくらいのガソリンが必要かざっくりイメージすると思います。同時に、燃料計をチェックしてガソリンの量を確認します。

頭の中でガソリンが足りるかどうかを考えて、ガソリンスタンドに寄るべきか判断します。

これがプランニングです。

ステップ1:自分(自部門)に求められていることを把握する
⇒ 目的地までガソリンがどのくらい必要か?

ステップ2:現状どうなっているかを確認する
⇒ 今どのくらいガソリンがあるか?

ステップ3:1と2のギャップを埋めるために何をするか決める
⇒ ガソリンスタンドに行くべきかどうか決める

プランニングは誰でもやっていることで、そんなに難しいことではありません。

わかっちゃいるけど手が出せないプランニング

まわりから求められることと、自らの現状を比べて、「今のままじゃダメだな」となった場合、そのギャップを埋めるためには何かしなければなりませんね。

ガソリンが足りないと思えば、ガソリンスタンドに行くのです。

求められることと現状のギャップを比べてみると、なんとかしなければいけないこと、つまり新しい仕事(タスク)を発見できます。

そして、その仕事(タスク)に取り組むことによって、将来起こるであろう問題を、事前に解決することがきるのです。

 

問題が発生してしまっては後の祭り。

目の前の問題を解決するのにムダな時間と労力を割くことになります。

車のガソリンが切れて途中で止まってしまったら、ものすごく面倒なことになりますよね。

 

結局、今、目の前で起こっている問題は、過去にプランニングをしてなかったか、あるいはプランニングを失敗した結果なのです。

実際あなた自身やまわりを見渡してみてください。

目の前の仕事に追われる
問題が発生する
問題に対処する
対処しているうちにまた新しい仕事が追いかけてくる

こんな負のスパイラルに陥っていることが多いのではないでしょうか?

ビジネスの現場では、目の前の問題をなんとかするのに精一杯で、未来のことを考える余裕がない場合もありますよね。

わかっちゃいるけどなかなかできない。

でも、自分の職場に日頃から目を配り、そんな状況がどこかで発生していないかをよく見ておかなければなりません。

そして、負のスパイラルを発見したら、絶対に放置してはいけません

無理やりでも、たとえ残業してでも、このプランニングを実行しなければ、その職場は永遠に負のスパイラルから抜け出せないのです。

 

仕事をする上では「PDCA(Plan Do Check Action)が重要!」と、耳にタコができるくらい聞かされていると思います。

が、PDCA云々以前に、「何に対してPDCAを回すのか?」というところを忘れてはなりません。

その「何に対して」をあきらかにする仕事のやり方こそ「プランニング」なのです。

 

特に管理職は、目の前の問題を対処することよりも、将来起こる問題を防止することが本業なのです。

日頃の仕事に忙殺されて、その本業を忘れてしまわないように心がけておきましょう。

 

「あなたの職場で企画の立案ってやってますか?」

「やってるに決まってるじゃないですか」

そんな状態が理想です。