
今回の記事は業務改善についてです。
業務改善と言っても、職種や会社によって具体的なやり方や目的はまったく違ってきます。
またどこの会社でも業務改善は大きなテーマであり、ほとんどのビジネスパーソンが取り組まれていることだと思います。
業務を見える化しよう!とか、PDCA(Plan Do Check Action)をしっかり回そう!なんて言葉はよく耳にしますね。
頭ではみなさん理解できていることですが、なかなか成果が出にくい。それが業務改善です。
この記事では、業務改善に手をつけるときの私の考え方、やり方についてご紹介したいと思います。
本やネットで勉強したやり方ではなく、私が実際に働く日々のなかで実践し、成功しているやり方です。

この記事に限らず、私のブログでは自分が実践して成功していることしか書かないよ!
コンサルタントじゃなくて現役のメーカー管理職だからね!
「変えるべき仕事」 と 「変えてはいけない仕事」
最近、8年ぶりに職場を異動しました。
前の職場でお世話になっていた他部門の部長さんに、メールで担当変更のお知らせをしました。
その返信に、
「今になって思えば、何かあたらしいことをするときは必ず君がいたね」
とメッセージが添えられていました。
思い返せば、たしかにいろんなことにチャレンジしてきました。
成功も失敗もしましたが、いろんな道を作ってこれたかな、と思います。
もともと私は、仕事でもなんでも同じことを繰り返すのがあまり好きではありません。
マクドナルドに行っても、まず前回食べたものは選択肢からはずします。
いつも同じものを注文する人もいますが、私は正反対です。
あなたはどっち派ですか?
ハンバーガーの頼み方は、まあどうでもいいことですね。
それより仕事です。
仕事では、変わらないのもダメですし、変えまくるのもダメです。
私はよく ”固定”と”変動” という言葉を使うのですが、
変えずに大切に守っていくこと(固定)
環境や状況に合わせて変えていくこと(変動)
のほどよい組み合わせが必要となります。

業務改善とは、変えることだけじゃなくて、変えてはいけないことを見つけるのとセットで取り組むべきだよ
変わらなければゴキブリになる!
ビジネスシーンでは、何かを変えていく、ということは比較的ポジティブに受け取られます。
企業が生き残り、成長していくためには、環境に合わせて変化していくことが必要です。これは何も企業経営に限った話ではなく、われわれの日常業務においても変化は必要です。
有名な生物学者であるダーウィンのこの名言をよく耳にします。
最も強い者が生き残るのではなく、
最も賢い者が生き延びるのでもない。
唯一生き残ることが出来るのは、
変化できる者である。
何度見ても、ビジネスパーソンの胸に刺さる名言です。
で、ゴキブリの話です。
ゴキブリって、3億年前から存在していると言われています。

2億6000万年前って説もあるけど・・・どっちでもいいね!
恐竜がいたのが、大体1億5000万年から2億年前くらいなので、ゴキブリは恐竜より古くから地球に存在しています。
しかも、見た目は今も昔もほとんど変わりません。すごい生き物ですよね。
ダーウィンは言ってます。
唯一生き残ることが出来るのは変化できる者である
でもゴキブリは変化することなく、3億年も生き残ってきました。
なぜか?
逃げ回っていたからです。
ゴキブリは、空気の流れを察知する能力が異常に高く、そして逃げ足がとんでもなく速いのです。
外的から逃げ回る能力がだけがズバ抜けて高いがゆえに、変化しなくても3億年も生き残ることができました。
でもそんな都合のよい話はありません。
ゴキブリは現在の地球の覇者である人類に、その存在が否定され、生理的に忌み嫌われる存在となりました。
変化を拒みただ逃げ回るだけでは、たとえ生き残っても幸せにはなれないのです。自ら変化し、強く賢く生き残ったものだけが幸せを手につかめるのです。(完全に自論)

スリッパでしばかれる生き物なんて他にいないよね
悲惨の極みだよね
業務改善ネタの見つけ方
ここから私の実践方法をお話します。
私が仕事でやり方を変えたり、新しいことにチャレンジするとき。
とりあえず後先のことはあまり考えません。
そして、変える対象の仕事、つまり業務改善ネタも、
「どの仕事のやり方を変えるか・・・」
なんてことも考えません。
気が向いたときに、いきなり私の業務改善は始まります。

会議室にみんなを集めて「何か業務改善ネタはないか?」なんてやらないよ!時間の無駄!
実例その1 意味のない書類
部下が承認サインをもらいに、ある書類を私に持ってきます。それは日々の業務で見慣れた書類だとします。
私は唐突に問いかけます。

この書類を使うのやめたら会社はどうなるかな?
本当に、ランダムに、私の気が向いたときに、何も考えずにこのような質問をしています。
当然部下は困惑しながらも、無くなったら困るという理由を説明してくれます。
ほとんどの場合は、

だよね~。ゴメンゴメン、バカなこと聞いて笑
となるのですが、たまにヒットすることがあるんです。

いや、実は昔からの習慣でこの書類使ってますが、今はシステム化されているから、この書類は必要ないんですよ
実例その2 調達先の選び方
とある材料の調達先を決定するケース。
この材料は、調達先候補が3社あるのですが、調達先を決めるときには、各社から見積もりを取って、競合によって決定しています。
部下がいつものように競合をさせて、私に説明します。

この会社が一番安い見積もりだったので、ここに決定します
私は唐突に問いかけます。

今度から競合するのをやめて、もう発注先をひとつに決めちゃったらどうなるかな?
その質問に、1社発注にしたらメリットがあるのではないか?といった思惑や計算はまったくありません。
現状をひっくり返して、正反対のことを、適当に問いかけているだけです。ほんとに思いつきです。
これもほとんどの場合、現状の方がよい、という結論になります。
でもヒットしたケースもありました。

・・・開発部門に聞いたのですが、この材料って将来もう使わなくなるらしいんですよ。
オーダー量も減ってくるので、チマチマと競合するより、1社に量をまとめてオーダーした方が安く買えるかもしれませんね
実例その3 オーダーのやり方
とある設備の購入を検討しているとき。
設備本体と、その設備のメンテナンス用の工具をセットで買うのが通例です。
私は唐突に問いかけます。

本体と工具セットを違う会社から買ったらどうなるかな?
ほとんどの場合は、工具セットは、その設備専用工具となっており、バラ買いはできません。そもそも設備の会社を敵にまわしてしまう発想です。正気とは思えない質問です。
でもたまにヒットします。

ああそれアリかも。この設備に関しては、メンテナンスが容易なモデルになってるんですよ
その辺に転がってる工具でも修理可能なのが売りなんですよ
3つの事例に共通しているのは、
後先考えずに、ランダムに唐突に問いかけてみる
ということです。
仕事の中に埋もれている ”変えるべきこと” は、ひとりで考えてもなかなか出てきません。
ひとりで考えれば考えるほど、変えてはいけない理由ばかりが頭をよぎるのです。中途半端に仕事を知っていることが無意識のうちに思考の邪魔をするのです。
だから会議室にみんなを集めて、業務改善ネタはないか?なんて話し合いをしても無駄なのです。みんなあれこれ考えてしまい、変えてはいけない理由ばかり頭によぎるのです。
でも、適当に誰かに聞いてみれば、自分の知らない事実が出てくることがあります。
唐突に質問することによって、部下にあれこれ考える時間を与えないようにすれば、部下が素直に感じている疑問が口をついて出てくることもあるのです。
下手な鉄砲も数打てば当たる的なやり方ですが、1日3つでもよいので、そんなバカげた問いかけをしてみてください。
1週間に1つヒットしただけでも、スゴイことではないですか?

本当に変えるべき仕事は、当たり前の日常の中にいくらでも埋もれているんだよ!
業務改善を実践する方法
変えるべき仕事は見つけました。
じゃあどのように変えていくのか?
ここでもまだ私は損得の計算はしません。変えたらどうなる?とか考えません。
ここでも考えすぎると余計なことばかり頭をよぎるからです。上司の承認がいるな、とか、他部門の説得もいるな、とか面倒なことばかり考えてしまいます。
具体的なやり方を考える前に、心が拒絶してしまうのです。
だから私は、
変えるとしたらどんなやり方があるのか?
を何も考えずに、まず洗い出します。ブレーンストーミングのように列記していきます。
例えば、3社の調達先候補で見積もり競合をして調達先を決める場合。
まず、他にどんなやり方があるか?を何も考えずに列記します。
1社から調達する
2社で競合して調達先を決める
4社で競合して調達先を決める
3社に分散して調達する
3社に分散して調達する
などなど・・・
思考回路を停止して、まるで言葉遊びをする感覚で列記していきます。
そして、ここからやっと真剣に損得勘定を始めるのです。
得がある!と判断できるやり方が見つかれば推し進めます。
具体的な改善のやり方がイメージできさえすれば、心はもう拒絶しません。業務改善に成功して、みんなが笑顔になること、いろんな人に感謝されることばかり想像してワクワクします。
当然、変えることに対する抵抗勢力が現れます。
そのときは、私はゴキブリの話をして、抵抗勢力を煙にまくのです笑
このゴキブリネタ、自論ではありますが以外に説得力があり効果的なのでおススメです。

でも相手には気を付けないと、俺をゴキブリ呼ばわりするのか!って怒られるよ
まとめ
私たちの日常業務を取り巻く環境は日々変化しています。
そして、どんなに優秀なビジネスパーソンでも、そんな変化をすべて察知することはできません。優秀であればあるほど、自分の見えている世界がすべてだと勘違いしてしまいます。
特に管理職が陥りやすい罠です。
だから、たまにはバカになって、いろんな人に問いかけてみることをオススメします。
変化しなければ生き残ることはできません。たとえ逃げ回って生き残っても、そこに幸せはありません。
死に絶えるか?それともゴキブリになるか?
どっちもNO!ですね。
最後に大切なことをひとつ。
業務改善に成功したときは、そのアイデアをくれた人の成果にしてあげてください。
あなたの手柄にしてはいけませんよ!
安心してください。あなたの手柄は、見てる人はちゃんと見てます。
私にメッセージをくれた部長さんのように。