数年ぶりにビジネス書(自己啓発本?)を読みました。

それがこちらです。

元インテル会長であるアンディ・グローブの名著『HIGH OUTPUT MANAGEMENT』です。

これまでに数百冊はビジネス書や自己啓発本を読みましたが、そのほとんどから何も得るものがなかったのでしばらく遠ざかっておりました。

たまたま知り合った企業コンサルタントの方から「まあそう言わずに、これ読んでみてよ!」と勧められて、久しぶりに読んでみたわけです。

確かにこれはムダが少なく、わかりやすく、そして非常に濃い良書でした。

これ1冊読んでおけば他の小難しいマネジメント本は読まなくてもいいんじゃないか、と思います。

40年近く前に書かれた本ではありますが、その内容や考え方は働き方がどのように変わっても大切なことばかりです。

新型コロナウイルスによって在宅勤務が注目を浴びていますが、むしろリモートワークの時代にこそ、この本に書かれているマネジメントの「本質」が重要になってくることは間違いありません。

『HIGH OUTPUT MANAGEMENT』という本

この本は、アンドリュー・グローブによって1983年に執筆されています。

日本では1984年に一度出版されましたが、後に廃版となっていました。こちらが初版本です。


出展:Amazon

現在販売されているものは、2017年に加筆修正され、日経BP社より再出版されたものとなります。

再出版されたのがわりと最近なので、ここ数年でブレイクしたような感じになっているんですね。

著名な経営者に大きな影響

これまで多くのビジネスパーソンに読まれ、有名な経営者にも大きな影響を与えた本です。

「僕の経営スタイルの形成に本書は大きな役割を果たした」

Facebook CEO  マーク・ザッカーバーグ

「非常に大切なことをすばらしく教えてくれる重要な本」

経営学者 ピーター・ドラッカー

著者であるアンディ・グローブは2016年に亡くなりましたが、この本は発表されて30年以上経った今でも、シリコンバレーの経営者を始め世界中の経営者やビジネスパーソンに大きな影響を与え続けています。

マネジメントの「本質」が書かれているので、時代が変わっても色褪せない名著です。

『HIGH OUTPUT MANAGEMENT』を読むべき人

この本は「中堅社員や新米管理職が読むべき本」とか「管理職の教科書」としておススメされていることが多いです。

内容も、中間管理職に向けて書かれたものになっています。

しかし私は、これからマネジメントを経験する方だけではなく、現在マネジメントをされているベテラン管理職や経営者の方も、ぜひ読むべきだと感じました。

むしろそっちじゃないかと。

ある程度マネジメントの経験を積み、自分なりのマネジメントスタイルができている管理職や、ぼちぼち頭が固くなった年配ビジネスパーソンにこそおススメしたい本です。

野球に例えれば「一度、鏡の前で素振りしてみては?」ということですね。

私もそうですが、年を取ると老眼にもなりますし、読書の量やスピードが落ちてくることもあります。

  • つまらない本で貴重な時間を浪費したくない
  • 常に自分に寄り添ってくれる良書に出会いたい
  • 知識を得るだけでなく実務で成果を出したい

そんな方にとっての一冊こそ、この『HIGH OUTPUT MANAGEMENT』でしょう。

(じゃなければ、私もこうして紹介記事なんか書きません)

 

『HIGH OUTPUT MANAGEMENT』のポイント

「パパ、本当はどんなお仕事をしているの?」

こういった質問に対してわれわれはどうもうまく答えられない。実際に何をやっているかは、しかとはつかまえにくいし、要約するのも難しい。

引用:『HIGH OUTPUT MANAGEMENT』第2部「経営管理はチームゲームである」

管理職というのは、自分で手を動かして何かを作っているわけでもなく、アウトプットが見えにくいポジションでもあります。

その理由は、管理職と一般社員のアウトプットがまったく違うものだからです。

この違いをしっかり理解して、管理職が組織の中でどう立ち回るべきかが、本書では詳しく解説されています。

私の言葉で説明すれば、この本が伝えていることはこれに尽きます。

管理職(マネージャー)はインフルエンサーである!

そしてインフルエンサーであるために、以下のポイントについて、実際のインテル社内での事例を交え、詳しく解説されています。

最後のページには、25問(320点満点)の「マネージャー資質チェックテスト」がおまけのようについています。

100点以上あれば、優秀な管理職の資質があるそうです。

私は110点、ギリセーフでした笑

アンディ・グローブの言葉

『HIGH OUTPUT MANAGEMENT』から著者アンディ・グローブの言葉を一部抜粋します。

マネージャーのアウトプットは、部下、あるいは影響下にある仲間たちが創出するアウトプットで測定しなければならない。

引用:『HIGH OUTPUT MANAGEMENT』第2部「経営管理はチームゲームである」

マネージャーは意思決定もするし、人の意思決定の援助もする。この基本的なマネージャーの仕事は両方とも、膝を交えての話し合いのとき、したがってミーティングを通じてのみ遂行される。

引用:『HIGH OUTPUT MANAGEMENT』第2部「経営管理はチームゲームである」

ベテランといわれるマネージャーは、かつては優秀なエンジニアであったろうが、今は、採用当時のような技術のエキスパートではない。マネージャーは日一日と少しずつ陳腐化しているのである。

引用:『HIGH OUTPUT MANAGEMENT』第2部「経営管理はチームゲームである」

部下が「自分はやる気が起きた」などということにはなんの意味もない。大切なのは、環境が変わったために”業績”が良くなるか悪くなるかである。それ(部下のモチベーションが上がること)はわれわれの望む成果でもアウトプットでもない。

引用:『HIGH OUTPUT MANAGEMENT』第4部「選手たち」

「部下は自ら間違いを経験しなければならない。そうして次第に覚えてゆくものなのだ」。この場合の問題は、部下の授業料を顧客に払わせていることにある。これは絶対に正しくない。

引用:『HIGH OUTPUT MANAGEMENT』第4部「選手たち」

ここであまり多くは紹介できませんが、ビジネスパーソンの胸に刺さる言葉がたくさん見つかるすばらしい本ですよ!